経営お役立ち情報


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経営お役立ち情報
本や研修会で学んで、色んな会社を見てきて、私も経営して、なるほどと思うことを書いています。読んでみて納得するかどうかは社長さん次第です。

2024年4月号 人材育成

 人材不足はあらゆる業界で発生しています。2030年には約1千万人の労働力が不足するといわれています。そんな厳しい環境下で成長を維持するには、社内人材の能力向上を図り、生産性向上をすすめるのが最も現実的な施策です。そうせざるを得ないのです。必ず10人の企業で1人減とならざるを得ない事態が生じます。その対応は9人で10%の生産性の向上をすることです。そうすれば、ほぼ10人分の人材に相当します。給与の引き上げも対応できるでしょう。そこで、人材育成・能力向上は極めて重要な施策になります。企業側も教育環境を整えていくことが必要です。
 なるほどそうなのですが、悲しいことに、いくら環境を整えても本人がその気にならなければその成果は出てこないわけです。また、働き方改革という名の下に成長する機会も奪われつつあります。そうなってくると、学びは結局は自己の責任なのです。環境がどうであろうとも学ぶ人は学びます。そういう人は1の仕事を1.5でき、生産性を上げることができます。今の時代ある意味差をつけやすい時だとも言えます。このことを冷静に判断・評価していくべきです。育成研修は、自社の課題・社員のレベルにあったものでないと時間とコストの無駄になりかねません。どこの企業でもやっているからとか、研修が必要だといわれる時代だからとかに流されることなく、まずは、学びの必要性をしっかりと理解してもらうことが先決です。
 このことは経営者の方にも言えます。環境は同じでも、会社を伸ばす社長、伸ばせない社長が存在します。その差は何なのかと考えたとき、経営について学ぶ姿勢があるかないかであるように思います。経営者に必要な決断力も、従業員教育も結局は経営者の考え方次第です。まずは経営者はより学ぶ必要があるのではないでしょうか。

2024年3月号 賃上げ税制の活用

 賃上げが叫ばれており、大企業の賃上げ報道は中小企業にも影響を与えています。人材確保の面からもスルーできない深刻な問題になっています。この賃上げについて税のインセンティブが設けられています。数年前からこの税制はありますが、年々簡素化されよりインセンティブをつけて延長されています。だいぶ使いやすくなりました。税額控除ですので、税金を支払っていない企業には何のメリットもない事が問題となっていました。そこで、令和6年の改正では、欠損法人について5年間は繰越控除が可能になります。
   改正の概要ですが、中小企業は賃上げ率対前年比1.5%以上UPは増額の15%・2.5%以上UPの場合は30%の税額控除です。かつ、その他教育訓練費の増加などがあると併せて最大税額控除額が40%から45%に拡大されます。
   
一般的な事例でお話しすると、例えば従業員さんの年間の給料が前期1000万円、当期1260万円としますと、増額は260万円です。2.6%上昇したことになります。2.5%以上伸びれば30%の税額控除ができます。増額の30%なので、78万円税金が少なくなります。ただし、法人税の20%までが限度です。税金を払っていない会社は恩恵無しです。役員報酬は含まれませんので念のため。0.1%足りなくても適用できませんのでご注意下さい。
   あまり該当することはないですが、中堅企業(資本金1億以上等)は3%以上・4%以上UP段階に応じて要件で最大35%、大企業は3%以上UPから7%以上UPまで段階に応じて最大35%になります。
   なお、適用期限については、3年間延長され令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度までとなります。

2024年2月号 値決めで考えるべきこと

 人件費が上がり、諸材料が上がり、コストの増加が利益を圧迫しています。このような状況で相応の値上げをしないと経営は悪化の一途をたどってしまいます。今値上げをしない経営はあり得ません。
 その時値決めをどうするか、何%上げればよいのか数字で把握する必要があります。出来る出来ないは別にしてまずはいくらの値上げが必要なのかを把握せずして戦略の立てようがありません。
 利益は  売上高-変動費=限界利益 限界利益-固定費=利益 として算定されることは基本として知っておくべきです。限界利益で固定費を賄うわけですから、値決めで絶対に守らなくてはならないのは、当たり前ですが限界利益のない、つまり変動費以下の価格をつけないことです。売上高<変動費とは、仕入れた材料・外注費や仕入れた商品よりも安く売ることですからその段階で赤字が確定してしまいます。もちろん固定費を賄うことはできません。ですから、変動費をしっかりと割り出し、それを上回る値段をつけることです。まず、それをそれぞれの商品・製品やサービスで限界利益を算定します。それらの和を求めて、固定費を上回るようにしましょう。もし目標利益があるのであれば、総限界利益>固定費+目標利益となるようにしましょう。これが値決めの基本的法則です。
 ビジネスの世界では、売価をどう設定するかが損得の分かれ目となります。高い値段を提示した時、こんなに高くてもいいのかなという心理が働きがちです。しかし、ここで大切なことがあります。安い値段を提示した時、いったん提示した値段を引き上げることは極めて難しいということです。逆に高い値段を交渉で下げていくことは可能かといえば、これもまた難しいのです。どちらがより難しいかといえば、提示した値段を引き上げることです。だとすればより高い値段を提示することを恐れてはなりません。低い値段の提示は、あなたの会社の存続が危ぶまれるだけです

2023年12月号 利益に強く焦点を当てましょう

 売上に焦点を当てる時代は終わっています。利益に焦点を当てましょう。まず対策すべきは売りの値段を上げることです。値段を上げるとお客様数が減るかもしれません。しかし10%値上げして、5%のお客様が減ったとしたら売上はどうなるでしょう?利益はどうなるでしょう。いろいろ考えて自社で計算してみてください。決して利益は思った様には落ちないのです。売上よりも利益により強く焦点を当てこだわるべきです。売上げにこだわる経営者は赤字でも売ろうとします。実はそのような経営は、高度成長期の亡霊が付きまとっているのです。薄利であるが故に多くの量を売らなければなりません。量が多いと作業量は増えます。そのため従業員は残業続きです。利益が上がりにくいので給与も上がりません。いい仕事ができるはずがありません。そのうちいやになって辞めていきます。この時代、不足の人手は補充困難です。この悪循環に陥ります。値上げすると売れなくなるのではという発想は捨てましょう。ではどういう戦略を立てるべきか、売上の質を高めることです。商品の付加価値を高め、わが社ならではの価値で非競争の環境を創り出すことです。なぜわが社の商品を求めておられるのかを突き詰めて考えてみましょう。そこに創意工夫も生まれてきます。時間的余裕があって始めて従業員さんの接遇も良くなりますし、発想も豊かになります。顧客のニーズに、貴社だけが応える事ができます。そこに単価引き上げの理屈が成り立ちます。そうすることで特徴ある商品やサービスを高評価した新しい顧客が増え、結果的に増収増益をもたらすことになるでしょう。いい循環が創り上げられていきます。

2023年11月号 ツキのある人とつきあう

 船井総研創始者の船井幸雄氏は松下幸之助に言われた言葉を著書に書いています。「私の経験から言うのだが、人とつきあうときは、ツキのある人とつきあいなさい。ついてない人間とはなるべくつきあわない方が良い」(『つきを呼び込む自己改造法』より)世の中には、なぜか運のいい人が存在します。こんな人がいませんか。チャンスに恵まれ、仕事で大きな結果を出している。良い人に巡り会い、良好な人間関係を構築している。いつも元気だ。逆になぜかうまくいかないツキのない人がいます。もし自分にツキがないと思ったらツキのない人間とつきあっている可能性があるのです。『類は類を呼ぶ』と言います。ツキのある人はプラス発想で肯定思考のできる人です。暖かく心優しい人です。人間性に富んだ人々です。正しい生き方をしている人です。あなたの周りのツイてる人はそういう人ではないでしょうか。「あの人は運がいいな。羨ましい」と自分と比べて、ねたんだり恨んだりするのではなく、積極的に近づいて仲良くなりましょう。運のいい人は、やはり運がよくなるような考え方や行動があるから、運がよくなっています。運のいい人と接すれば、その人を通して、運がよくなる行動や考え方を自然に吸収するようになります。吸収して真似をすれば、いずれあなたも運をよくする方法を体現できるようになります。また運のいい人には、やはり運のいい人が集まる傾向があります。お互いに助け合うので、ますます運がよくなり、人生が向上します。ツキのない人とのつきあいはほどほどにして、運のいい人と付き合うのが、成功するコツなのです。

2023年10月号 債務償還年数について

 債務償還年数とは、何年で借入を返済できるのかを示す数字です。経営者はこの年数を知っておくべきです。銀行は、融資をしている貴社の債務償還年数を随時チェックしています。次なる経営判断をするために、経営者は債務償還年数を計算してみて、目安と比べることが必要です。また、実際に銀行に借り入れを申し込むときにも何年払いするのかを交渉する際にも必要です。
 
一般的な計算の方法は、(長期借入+短期借入)/(年間キャッシュフロー)です。年間キャッシュフロー=税引後利益+減価償却費です。借入金から必要運転資金分を差し引く考え方もあります。銀行によって多少考え方が異なります。事業の特性などを考慮して計算式を使い分けることになります。債務償還年数は、返済できる能力を示す目安です。借入を実際に返済する期間ではありません。債務償還年数の目安は所要資金によって異なります。一般的には運転資金5~7年、設備資金10~15年内です。総合的に見て15年を超えると厳しいと見られています。借入の期間はこれを目安に設定されます。当然ですが、債務償還年数が長い→リスクが高い  債務償還年数が短い→優良(=追加の融資にも応じやすくなる)です。
 
銀行の方とも、お話をしている中でまだまだ「借入が一定期間で返済できるだけのキャッシュフローがないといけない」という概念が、前提となっていることが大半です。コロナ融資により増大した企業の借入、赤字が増大した状況からすると、債務償還年数を根拠とした評価では「貸せる企業など存在しない」ことになります。しかし、企業業側としては債務償還年数が未達でも、今後の成長性を認められるように改善計画をしていくことが大切です。

2023年9月号 経営者の価値観

 社長が変身すれば会社の業績はよくなると言われます。また社長の器以上には会社は伸びないとも言われています。残念ながらおおかたその通りのようです。社長の成長とともに企業も成長するということでしょう。ということは、まず社長は自分自身の考え方、行動を先に変えて企業を成長発展させるという意識が必要なのではないでしょうか。その時大切なことはそれぞれの経営者のタイプ、人生の価値観があるわけですから、企業をどういうタイプの会社にしていくのかということがとても大切だと思います。すばらしいと思う経営者に学ぶことは大切なのですが、そのまねをすればよいというわけでもありません。そもそも土台がちがいますし、過去の学び方、経験も違うのですからのですから、主体性なくあの人もこうだからというものまねでは失敗の確率が高くなります。タイプ別に考えるとすれば、
 1.家業生業型タイプ。ある意味で豊かに生きるならこのタイプがいいでしょう。一番多いのがこのタイプだと思います。家族経営に徹することがポイントです。
 2.従業員10人前後の法人タイプ。堅実経営と資金繰り中心の経営が必要です。従業員の生活向上優先の経営が事業をのばすポイントとなります。社長の見栄など考える暇と時間はないでしょう。赤字をださずに少なくとも5年続けられれば、そこから次のステップを考えればいいでしょう。ここまでくれば後は企業家を目指すかどうかは社長の考え方ひとつです。

2023年8月号 今後の中小企業に求められる金融機関との関係性

 金融庁監督局長 伊藤 豊氏の講演を聴く機会がありましたので、参考にしてお話しします。
 企業経営に資金は絶対に必要です。経営の環境も変化するので、潤沢な資金を保持しているのなら別ですが、金融機関からの借入れを要することが日常です。そのために金融機関との関係性をよくしておくことも必要です。同時にどの金融機関をメインバンクとすべきかを事業の規模等によって検討しておくことも必要です。いま金融庁はメインバンク制による総合的な支援を推進する事業成長担保権という制度の検討中であることも念頭に入れておきましょう。
 地方銀行は地域の中小企業と長期的に携わりながら、お互いにWinWinな関係を築いていくことで共に生き残る道を模索していくべきでしょうが、もっぱら不合理な手数料ビジネスに傾注していないか、事業の成長を本気で願い取り組んでいる金融機関なのかどうかを見極めていきましょう。
 いずれにしても金融庁は金融機関には企業の評価を「会計資料という数値面」のみならず「事業の足元の状況」「運営方針」「改善行動」といった数値のみでは測れないポイントでも評価することを求めています。そして、赤字でも債務超過でも、債務償還年数が未達でも、今後の成長性を認められる企業に対して支援がなされていくでしょう。そのためにも将来ビジョンを設定し、我が社にとって信頼を置くことのできると思うメインバンクと日頃からの情報交換を密にして関係性を良くすることに力を入れていく必要があります。

2023年7月号 大切な戦略計画

 事業計画には予算計画と戦略計画の両方が必要です。どんなに小さな会社でも予算計画は必要です。
ただ予算計画と共に必要なのが、いわゆる戦略計画です。つまりどのように具体的に実現するのかという行動計画です。最も重要なのは数値計画の一番上の項目である「売上」をどう作っていくかということです。これを実現するためには売上の要因項目を分解して考えるとよいでしょう。
 つまり、売上の要因を、何人のお客様に(客数)いくらの商品を(単価)どのくらいの頻度で(購買頻度)で購入していただくかに分解して考えます。それに加えてどのようなお客様にという戦略を加えます。
 そこで終わるのではなく、もっと具体的にしていきます。いくらの販売費用をかけ、いつ、誰に、どのような方法でアピールしていくかを計画にしなければなりません。しかもそれを誰がするのかも大切です。この行動計画を作成することで、経営者や従業員がその目標の達成のために具体的に何をすれば良いのかを把握することができます。そして、それを実行し、できているかできていないかを検証していくことによって、会社の目標は絵に描いた餅にはならずに済むのです。

2023年6月号 これだけは頭に入れておきたい決算書の数値

 経営者としては我が社の変動損益計算の概略を頭の中に把握しておくことがとても大切です。自社の(  )を概算でいいですので埋めてみてください。すらすらと出てくれば、数字を考えた経営ができています。
①我が社の限界利益額は 年間 約 (        )千円である。
②我が社の限界利益率は  (        )%である。 *同業他社の限界利益率は  (    )%である。
③我が社の限界利益率は当期 (        ) %     前期(       ) %  である。
   従って A.良くなってきている。   B.悪くなってきている。 C.横ばいである
④我が社の売上があってもなくてもかかる固定費は(           )千円である。
⑤この固定費を限界利益で稼がないと赤字になるが、
 我が社の固定費は(           )千円で、 限界利益額は(            )千円 だから
 A.まかなっている。    B.まかなわれていない。
⑥我が社の損益分岐点売上は(        )千円である。
 *損益分岐点売上 = 固定費(     )千円 ÷ 限界利益率(   )%で求められる。
⑦我が社の借入金の年間返済額は(       )千円である。
⑧我が社が確保している借入金返済可能額は(      )千円である。
 従って返済額を  A.まかなえている B.まかなえていない。
 *返済可能額は 税引き後利益+減価償却費 で求められます。

2023年5月号 借入をするにあたって

 コロナ後の経済活動の活性化に伴い、コロナ資金の返済の猶予を求める場合もあれば、新しい取り組みに積極的に投資をしていく場合もあります。売上げの増加で運転資金の需要も高まります。そこで、金融機関に返済猶予や新規の融資を申し込む訳ですが、その審査は返済可能性を見抜くことに重点が置かれます。つまりは収益力改善の要因を見抜くことを大切にするわけです。現在の財務諸表に現れる数字だけで判断するのではなく、改善計画や事業計画でもってその実現性と、どれだけ利益を残せるかが勝負であり、今赤字でもそれが戦略的なものかの評価を見極めることになります。また計画後はその行動計画の実行がなされているのかどうかも評価されます。
 融資を申込み時のチェックポイントがあります。
1.資金使途 調達したお金の使い道 
2.借入金額 いくら調達したいのか、自己資金はいくらなのか
3.返済原資 返済していけるキャッシュが確保できるのか
4.財務状況の健全性 利益は出ているのか、債務超過なのか等
5.返済計画を含めた事業計画の実現可能性といったところは基本です。これは返済の猶予をお願いする場合も同様です。
 そして、肝心なのは税理士事務所のフォロー説明があったとしても、その内容を社長本人がしっかり理解納得して、金融機関に対し資料の説明を行うことができるかが重要です。

2023年4月号 目指す自己資本比率とは

 自己資本比率とは、返済(支払)不要の調達資金が全体の何%あるかを示す数値です。自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)の式で算出します。貸借対照表の左側には現金預金や売掛金・棚卸資産・建物・機械・車等の資産が書いてあります。右側には買掛金・借入金等の支払うべきである負債が書いてあります。そして右下に自己資本の金額が書いてあります。自己資本というのは、左側の総資産と右側の負債の差額です。言い換えれば、会社の資産を全部売り払って負債を払ったらいくら残るのか?と言うことです。その残る金額が自己資本(純資産ともいいます)です。当然資産よりも負債が少なければ少ないほど自己資本は大きくなります。逆に負債の方が多いと自己資本比率は△になります。この状態は債務超過状態と言い、決してあってはなりません。
 自己資本比率は大きいほどいいわけです。会社の目標を一点だけどこに置くかとなれば、この自己資本の増強以外にないと思います。この目標を立てて経営を進めれば、会社は安全に継続できます。是非、これを何年後に何%にするかの目標を定めて下さい。日本の企業の平均は30%です。つまり30%以下はまだまだ並の会社にはなっていないと言うことです。50%を超えると実質無借金になり、びくともしない会社になります。どうすれば増えるか?自己資本は利益の累積ですから、利益を上げるしか方法はありません。こつこつと。

2023年3月号 節税の勘違い 税金を少なくすることが本当に得なのか?

 資金繰りを考えない節税はナンセンスです。未だにこの勘違いがあるようです。例えば500万円の利益が出て、約20%の100万円の税金を払いたくないとします。その為には経費を使わなければなりません。500万円使えば利益は0で、税金は0円。見事な節税です。さて、残ったお金はどうなったでしょう。0円です。一方税金を払うと400万円残ります。経営者のあなたは400万円持っているのと、0円とどちらを選択すべきでしょうか?これが何年も続くと、とんでもない差がつくのです。企業には浮き沈みがつきものです。絶対に順調というわけにはいきません。大きなチャンスもあります。ピンチでもチャンスでもその時必要なのは資金なのです。無計画な経費ほど無駄なものはありません。無計画に漠然と利益が出たので税金がもったいないから使おうはとんだ勘違いです。節税のための出費ではなく、出費が結果的に節税につながるという考え方を取りましょう。将来に役立つお金に使いましょう。たとえば、保険もその一つ、リスクに備えることは真っ先にしなければならないことです。
 節税は将来のためと資金繰りを悪化させないことが前提です。また企業の外部にお金を出さないで経費にする方法が有効です。少なくともそれに近い方法があります。経営者を含めたそこに働く人のために使うということです。がんばる従業員さんに適切に還元しましょう。あくまで適切にです。中小企業にとって節税対策は会社を維持するために大事なことですが、節税対策のつもりが無駄にお金を使ってしまっているケースもあります。節税を求めるあまり、節税貧乏になってしまっては本末転倒です。

2023年2月号 積極投資も必要 ただし計画的に

 ビジネスにおいて、投資を継続拡大しない限り事業は継続できないし、また大きくなりません。お金を使うという意味では浪費も消費も投資も同じことですが、投資はそのことによってリターンがあるかどうかの違いです。投資は、そのお金の使い道に対して費用対効果を測定することができます。
 投資には設備投資もあるし人材投資やマーケティング投資もあります。それらの投資をしていかなければ継続成長できないのですから、それをだらだらと引き延ばしするのは危険です。資金が不足なら借入れも必要になります。ただし借入れをしたとしてもそれ以上にリターンが得られる投資であるべきです。特に今日、人手不足の課題解決の投資はどう考えても必要です。機械化のための設備投資、新規採用の投資、スキルアップのための教育投資、そして必要な人材であれば適正評価をして給与のアップも必要でしょう。優れた人財は、会社に大きな収益をもたらしてくれるのです。
 こうした投資に不安を感じ、行動を躊躇するのは投資後の不安からくるものです。果たしてその投資をした時に、資金は大丈夫なのか、失敗してしまった時に、お金が回らなくなるのではないかという不安です。このような不安を払しょくし、投資行動を決断するために、必要なのが数値計画とそれを実現する行動計画なのです。行動とお金の動きは連動します。そして、将来の貸借対照表と損益計算書とキャッシュフロー計算書を作ります。それによって、借入れをした時、マーケティングに投資をした時、従業員を雇用した時、給与をアップした時、お金の流れがどうなるかを見える化できます。計画は、ビジョンをどのように実現していくのかを具体的に見える形にすることです。計画により安心して行動できるのです。安心は力強い行動につながるのです。

2022年12月号 売上の質に強く焦点を当てましょう

売上が5%でも落ちるとものすごく気になりますが、妙なことに利益率が5%落ちてもあまり気にならない経営者が多いようです。しかし売上よりも利益(もっと正確に言えばキャッシュフロー)により強く焦点を当てこだわるべきです。売上げにこだわる経営者は赤字でも売ろうとします。実はそのような経営は、高度成長期の亡霊が付きまとっているのです。
今、諸コストがアップしています。手を打たなければいつの間にか赤字で販売することになります。値上げすると売れなくなるのではという発想では、その次も赤字での販売を余儀なくされます。これも売上至上主義の亡霊です。このような営業方針では、厳しくなる経営環境を生き抜くことはできません。
ではどういう戦略を立てるべきか、このような厳しい経営環境を生き抜くためにどうすればいいかですが、売上至上主義を改め、売上の質を高めることです。利益を上げるための単なる経費の削減とは意味合いが違うので注意が必要です。商品の付加価値を高め、わが社ならではの価値で非競争の環境を創り出すことです。なぜわが社の商品を求めておられるのかを突き詰めて考えてみましょう。そこに創意工夫も生まれてきます。
その方法が、ひいきの顧客のニーズに、貴社だけが応える戦略への転換です。そこに単価引き上げの理屈が成り立ちます。そうすることで特徴ある商品やサービスを高評価した新しい顧客が増え、結果的に増収増益をもたらすことになるでしょう。

2022年11月号 我が社の適正利益は

事業計画を考えるときに、我が社のデッドラインはどこかを考えましょう。つまりこれを確保できないと資金繰りは危なくなる、経営が立ちゆかなくなるというラインです。平たく言えば「我が社が継続していくための適正利益は」ということです。
「適正利益」は「必要利益」置き替えて考えていいでしょう。「必要利益とは、会社が企業活動を行うにあたって最低限必要な利益」のことです。各企業の置かれている立場で持つべき目標によって必要利益は異なります。まず我が社の置かれている立場での目標を考えましょう。そしてその目標の優先順位を考えましょう。優先順位は下記のようになります。1がクリアーできていれば2です。1.2もクリアーできていれば3です。5の段階まで来れば実質無借金状態になります。

  1. 返済財源をいくらかでも確保する利益
  2. 借入れ返済財源を確保するための利益
  3. 債務超過を○年後に解消するための利益
  4. 同業優良会社並の自己資本比率を○年後に確保するための利益
  5. 自己資本比率を○年後に50%にするための利益

これらの目標が立ったら、それを達成するためにどう行動すればいいのかを現状を分析して課題を見つけ改善の行動計画をたてます。後はそれを実行していくことで、必ず目標利益が達成されます。現状分析する時、模範となる同業の優良企業のデータは参考になります。それが現実として存在するのですから。 

2022年10月号 情報発信は一定の繰り返しがポイント

色々な手段での情報発信が売上アップに欠かせません。情報発信するとき、つい考えてしまう間違いが、「これは、何度も発信したから、やめておこう」「一度発信したけど、効果は見られないのでやめとこう」という考え方です。一度見たから聞いたからといって、印象に残るでしょうか?テレビCMを見ればわかるように、何度もしかも同じ内容を繰り返しています。何度も繰り返しでやっと印象に残るのです。新聞や雑誌の広告も同じです。一度や二度では、気づいてはもらえません。かえって費用の無駄です。同じ内容を、何度、発信しても問題がないどころか、必要なのです。中小企業である自社は、その存在さえ知られていないのです。大切な一人のファンをつくるつもりで、繰り返し情報発信し続けていくことが大切です。そうすることで、知らず知らずのうちに「ああ、いつも見るあの店ね。あの商品ね。」と貴社の知名度が上がり、ブランド化につながっていきます。まずは会社を、お店を、商品を知ってもらうことが大切です。
ただし、どの方法が最も効果的かを吟味したうえで費用対効果も考えながら、情報発信にはコストをかけるべきです。もちろん、その商品やサービスが、それを欲しいであろう人に、関心を持ってもらえる情報発信にするには、お客様が感じているお困りごと不便・不満・不足を解決するイメージを持てるようにすることです。

2022年9月号 稲盛和夫氏の言葉

元京セラ創業者の稲盛和夫氏が亡くなられました。多くの経営者が稲盛氏の書物等で得ることは多かったのではと思います。私もその一人です。稲盛氏は「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」とか「利他の心」の言葉で経営の本質を説かれています。前者は自己満足のために行う善行(小善)が、それが善意から発したものであったとしても結果的に人を傷つける大悪を生み出すことがある。また、それに対して、本気で相手のことを考えて行う善行(大善)は、厳しく、容赦のない態度(非情)と誤解されることがある。という意味だそうです。そしてこういわれています。「上司と部下の関係でも、信念もなく部下に迎合する上司は、一見愛情深いように見えるが、結果として部下をダメにしていくことになります。これを小善といいます。「小善は大悪に似たり」と言われますが、表面的な愛情は相手を不幸にします。逆に信念をもって厳しく指導する上司は、その時はけむたいかもしれませんが、長い目で見れば部下を大きく成長させることになります。これが大善です。真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に良いのかを厳しく見極めることなのです。」と。
ここをわかってくれない部下がいる現実はつらいと思いますが、部下にとっての幸せを心から願って担雪埋井の心で、指導していくことが大切なのでしょう。真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に良いのかを厳しく見極めることなのです。真剣に考えて社員の成長を考えていきたいものです。

2022年8月号 人への投資が企業の将来を左右する

先日の日経新聞に、積極的な人材育成が好業績・高株価につながっているという調査結果があるという記事がありました。人手不足が深刻な問題となっていますが、同時に今働いてもらっている人材をいかに大切に人財として育てるかが、企業存続と成長を左右する大きな要因です。当然と言えば当然かもしれませんが、これまで以上に特に若手社員さんのスキルアップの取り組みを強める必要があると思います。事業環境は大きくかつ早く変わっていっています。経営資源を人材投資に重点的に優先的に充当していくことがこれまで以上に必要です。座学の研修会だけではなく、現場による実学研修がより有効でしょう。仕事に直接的に必要な知識や技術を身につけるための研修、あるいは仕事に直接的に必要な免許や資格を取得するための費用、業務を遂行する上で必要と認められる研修費等については福利厚生費や研修費などとして損金にできます。給与として処理する必要はありません。

2022年7月号 盤石な会社は資金を持つ

 当然のことながら、盤石な会社にするには、現預金を多く持っておく必要があります。いざという時にすぐにキャッシュに変換することができる資産を多く持つということです。いざという時とはコロナ禍のようなネガテブな事態もあれば、経営拡大のための投資チャンスあります。いくら貸借対照表の資産の部に資産が計上されていても、中身が問題です。陳腐化した在庫や、滞留売掛金、土地建物など、これらは「総資産」として数字上は計上されていますが、現預金にできないので緊急時に会社を守り、発展させる財源にはできないのです。健全な会社にすることを、一般的に「財務体質を良くする」といいます。「財務体質を良くする」とは、言い換えれば、「貸借対照表を良くする」ということを指しています。では、「貸借対照表を良くする」ということは何なのでしょうか。それは資金が潤沢にあるということです。とはいっても預金もあるがそれ以上の借金もあるではなくて、現預金≧借入金という状態です。つまり実質的には「無借金」の状態です。ここを目指し、この差を年々大きくしていくことが、財務体質を良くしていくということなのです。
 借入金があることは財務体質が悪いということではありません。むしろ現金預金がないことが大きな問題です。借入もないが預金もないよりも、預金もあるが借入もあるの方がいいです。そして現預金≧借入金という状態であればよりいいのです。

2022年6月号 地域金融機関と税理士事務所

 金融庁の「2021事務年度金融行政方針」に経営改善事業・再生事業・事業転換等の推進と体制構築という項目があります。この中にこれらの政策の推進を進めていくために、「地域の関係者(金融機関、信用保証協会、商工団体、中小企業再生支援協議会、税理士等)と連携共同し実効性ある事業者支援体制の構築強化を通じて、経営改善・事業再生等の取り組みを推進していく。」と書かれています。このように金融機関と税理士事務所との連携が求められているのですが、税理士・公認会計士が金融機関の支店長を知っているのは3割程度しかないという統計があります。まだまだ金融機関との関係の希薄さが問題視されているのです。もちろん、私たちの事務所では、金融機関様とは交流を深めて情報を共有させてもらっています。
 神戸大学経済経営研究所所長で現在政府関連の委員を務められ金融庁参与であった家森義信氏は講演会で税理士事務所と金融機関との連携の必要性についてこう述べています。◎中小企業は様々な課題を抱えており、コロナ化によって状況は一段と困難になっている。◎地域金融が目指すべきは、事業性評価に基づく顧客企業の価値向上。それが地域金融機関の発展の唯一の道。◎実効的な事業性評価には、正確な信頼できる決算書をタイムリーに入手できることが不可欠。その点で中小企業との信頼関係を持つ税理士との連携が効果的である。◎税理士との連携は進んでいるが、発展途上。組織全体および現場レベルの両面から相互信頼の醸成を進めるべき。
 さて、気になるアンケート調査があります。それは「きちんとした会計を行うことは中小企業の経営力を高める」と答えた金融機関の支店長さんは、強くそう思うが約65%、そう思うが36%で、殆どが共感されていることも紹介しておきます。きちんとした会計と事業計画は支援したい企業の選別の要件になっているのです。

2022年5月号 会社という組織に大切なこと

 企業が人の集まった組織である以上、企業の質を高めていくためには、その組織の構成員である人の質を高めていく必要があります。名経営者である稲盛和夫氏は「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という方程式でいかに考え方が必要であるかを説いています。考え方が0であると全てが0になるわけです。マザーテレサの言葉も同様の意味でとても参考になります。その言葉は、「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから」「言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから」「行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから」「習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから」「性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから」。つまりは運命も、性格も、結局は考え方を変えないことには変わらない、よい方向にはいかないということです。
 企業という組織の運命は、結局は組織の個々人の考え方をいかに高みに持っていくか、経営者自身も含め考えていく必要があるということでしょう。陥りがちな妙な魔力に振り回されないようにしたいものです。

2022年4月号 原材料高騰と価格転嫁への対応

 原材料費やエネルギーコストの上昇が続き、地場企業の業績も目に見えて圧迫されてきました。適切な価格転嫁の重要性がより高まっています。ただ、中小企業庁が2月に公表した受注側の下請け中小企業約4万社を対象に実施した調査によると、直近1年間で発注側企業と価格交渉できなかった受注側企業は1割、価格転嫁が全く実現できなかった企業は2割にのぼっています。企業庁は調査結果を業種・企業ごとに順位付けし、下請中小企業振興法に基づく行政指導に乗り出すなど取引環境の改善を急ぐとのこと。価格交渉・転嫁状況が良くない個別企業に対し、下請中小企業振興法に基づく行政指導を順次開始するほか、21年9月に続き、22年3月を価格交渉促進月間と定め、今回と同様の調査を実施したそうです。企業庁の幹部は「月間がただのパフォーマンスではないというメッセージを発信していきたい」と強調しています。また大企業経営者が取引適正化を宣言する「パートナーシップ構築宣言」の実効性を高めるため、宣言企業全社を対象にした調査を実施し、結果を公表します。大企業の経営層だけでなく、受注側との交渉を担う調達現場への宣言内容の浸透を徹底するとのことです。今回の調査では宣言企業で優良な結果だった上位企業も公表し、信越化学工業や東洋紡、NTT東日本、日立システムズ、富士電機などが挙げられています。中小企業はあきらめることなく適切な価格転嫁についてしっかりと取り組んでいきましょう。

2022年3月号 コロナ対策融資への対応

 新型コロナウイルス感染症の影響をコロナ特別借入でしのぐことができ、コロナ禍が落ち着けば事業の回復が進むと期待していたのですが、なかなか終息を見せず、関連事業への影響はまだまだ続いています。そんな中、対策借入の返済が近づきました。幸い支援いただいている金融機関様も相談に乗っていただき、返済延期や借り換え対策等で、できうる限りの対応をしてもらっています。我々としても、金融機関様との仲介役としてしっかり対応しているところです。この対応は、将来へ向けての展望を描けていて初めてできることです。コロナ禍を機会に、自社をよく分析し課題を見つけ、今後の対応について具体的な事業計画・行動計画を立て、それに沿って動いていくということです。課題解決のシュミレーションをするときに、設備改善などを要し、そのための資金も必要になるということもあります。資金ひっ迫の中でさらなる資金というときに金融機関様の支援がどうしても必要になります。本当はこうなる前にリスクを見据えた資金計画のもとで取り組むべきだったのかもしれません。そうはいっても、目の前に改革すべき現実は来ています。金融機関様の支援を仰ぐことができるのは、具体的計画はもちろん、経営者の行動と、その実績です。苦しい中ですが、少しでも前進の姿を見せていきましょう。そうすれば絶対によくなると信じています。そういう姿をたくさん見てきました。

2021年12月号 経営課題を明確にすることの重要性

 今年も残る一月を切りました。個人として、この一年の反省と、くる年と未来に向かっての目標を考えてみる方は多いと思います。個人にはそれは必ずしも必要とはいえないかもしれませんが、少なくとも企業には目指す目標を実現するための計画は不可欠です。目標がないものに計画はない。計画がないものに行動はない。行動がないものに成果はない。そして、成果の後の反省がないものには新たな目標は生まれない。と何かの書で語ってありました。
 経営課題つまり目標を明確にすることは大切です。その課題に向かって何を競っているのかと言えば「目標に達成する時間」を競っているということになります。いついつ迄に達成することがなければそれは目標にはなりません。
 目標には「数字に意味を持たせる」ことが大切です。意味があるからこそ動く理由になり、それが原動力で目標を達成しようと頑張れます。目標数値はいわば「ノルマ」です。私達は普段の生活でも無意識にああしようこうしようとノルマをつくって活動しています。そして、私達にとってノルマは原動力でノルマが満たされてしまうと動く理由がなくなってしまいがちです。したがって、自分(会社)のノルマを課していくことはポイントです。
日本の中小企業の黒字は30%なのですが、計画し予実管理をしている場合の黒字は60%という統計があります。

2021年11月号 会計のことがわからないのは致命的

 あらゆる機会で言い続けていることですが、経営の継続の為には「会計で会社を強くする」という意識を強く持つことが大切です。これは今に始まったことではありません。松下幸之助も、稲盛和夫も、そして多くの名経営者は例外なく会計の重要性を説いています。会計のことがわからない経営者には経営はできないといっても過言ではありません。会計の基本的な理解は経営の基本であり会計がわからないのは経営にとって致命的なのです。
 毎月の事業成果のデータである試算表を早く把握するために努力をしない。ましてや毎月の試算表を見ない。会計を経営の後順位に置く。損益計算書の見方、貸借対照表の見方がわからない。もしかして、いまだにこういう状態であるとすれば大きな問題です。
 なぜ会計は経営にとって重要なのでしょうか。一言で言えば会計は経営成績を示すデータだからです。経営の状況は会計でしかわからないからです。そのデータ無くして経営を進められるはずがありません。毎月の経営状況を示す月次の損益計算書と貸借対照表(これを試算表と言います)には経営情報が凝縮されています。これを見れば我が社のどこに問題があるのか、どこが優れているのか、資金繰りは大丈夫か等一目瞭然です。
 試算表は過去の経営情報なのですが、傾向を見たり、課題を把握することで、将来を見通すことができます。近い将来の資金繰りも把握することができます。この基本データがなければ経営計画も立てられないのです。会計の重要性を優先順位の一番にして、早い情報を把握し、活用することが経営を強くしていくことは身をもって体験しています。経験上、これをないがしろにしている経営は100%行き詰る方向に進むといっても過言ではありません。ポストコロナ対応の為、今一度財務の大切さを認識し、活用していきましょう。

2021年10月号 他人事ではないESG

 近年、企業の情報開示において、財政状態、経営成績といった財務情報に加えてESG(環境・社会・ガバナンス)情報といった目に見えない非財務情報の重要性が世界的に高まっています。大企業を中心とした国内外の企業は、各種媒体を通じて非財務情報の開示に取り組んでいます。質の高い非財務情報の開示を実現する指針のあるべき方向性の検討、研究が進められています。
 簡単に言えば、例えば脱炭素に向けての取り組みをどうしているのかを企業情報として開示しようというものです。これら会計数字以外のいわゆる非財務情報の開示は大企業に求められることであり、中小企業には関係ないだろうと思いがちですが、そうも言ってはおられません。なぜなら、自社の外注先も含めたトータルでの取り組みの開示が求められるからです。特に大企業との取引をしているところは、対応を迫られることになります。中小零細企業も安閑としてはおれないのです。環境やガバナンスにしっかりと対応できていない事業所には外注には出さないとなってきているのです。財務面も含め法令順守のしっかりとした会社作りが求められてきます。金融機関も、脱炭素取り組みに無頓着な会社には融資しないという時代が目の前に来ているのです。

2021年9月号 景気変動による変化ではない

 経済に景気循環は確かにありますが、経営にあたっては、その考えを持ち込むのは変える必要があります。「今はどん底だけど、いずれ景気がよくなるので、その時に備えしっかりやっていこう」ある意味正しいかもしれませんが、それは、これまでの考えであり、今はこの考えから脱却すべきです。特にこれまで好景気の循環の中で経営をしてきた経営者は注意すべきだと思います。「市場構造の変化」を、これまで通り「景気変動による変化」と見誤ってはいけないのです。あなたの企業の不振の原因は、景気変動によるものではない可能性が高いのです。
 企業にとって一番大切なことは持続的な成長です。 企業の持続的な成長に必要なことは何なのかを、よくよく考えてみましょう。
 企業経営を危うくする要因は
 1.外部環境の変化に対応できないでいる。仕事のやりかたを変えられないでいる。
 2.内部業務が複雑化している。人数が増えると組織が複雑になり、意思決定も遅くなる。
 3.属人性に頼っている。能力の高い人に頼りすぎており、その後継がいない。
 4.計画性のない経営をしている。自社の分析と課題がなく、ビジョンが目標設定ができていない。

 これらの課題に全体的に対応するのは、トップのリーダーシップです。1は、リーダーの役割でしょう。2は組織マネジメントを見直す必要があります。3は人材育成に力を入れるべきでしょう。これらの課題が見つかればおのずと4の計画は策定されなければならないはずです。
 大切なのは、自分たちは何のために存在しているのか、自分たちにできることは何なのか、それを明確にして、常に顧客にどういう価値を提供したいのかを考えていく必要があるということです。

2021年8月号 今取り組むべき優先順位

コロナ対策資金の導入による効果で、企業の資金繰り悪化による倒産は思ったほど増えていないという状況の様です。しかし、根本解決にはなっていないのですから、実態は決して良好とはいえません。コロナ資金返済が始まった時に、じわりじわりと多くの企業に影響を及ぼしてくるでしょう。一方政府の経済対策もあり、景気の上昇も多いにあり得ます。そこでどう対応していくかが問われます。
これまで第一優先順位で取り組んできたことは、資金を確保するということでした。当事務所としても、将来不安も考え6カ月分程度の固定経費をまかなえるようにと、多くの企業の短期資金の底上げの支援をしてきたところです。
次の優先順位は、当然のことですが、いかに返済をしていくかということです。借入返済の財源は利益(減価償却前利益)しかありません。返済が始まれば、「既存借り入れ返済 + コロナ対策借入の返済」と、返済額は増えます。その分利益を余計に確保しなければなりません。利益の増加が今後のポイントになるということです。いかに早く、事業を軌道に乗せ、コロナ以前以上の利益を出すか、工夫をしていかなければなりません。非常に厳しい取り組みが求められます。そこで、よりシビアーな事業計画が必須です。自社の強み弱みを分析し、あらゆる知恵を絞って戦略を立て、より具体的な行動計画とその一刻も早い実践が求められます。景気回復時の波に乗るためにも、わが社の経営をどういう方向に進めるか、具体的に考えていきましょう。資金がある内にです。

2021年7月号 ザイオンス効果

ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果で、別名「単純接触効果」とも呼ばれています。これは、相手と繰り返し接触をすることにより、だんだんと好感度や親密度が高まるという効果のことです。マーケティング施策に応用されます。例えば、コマーシャルや広告なども何度も目にすることによって、この効果により好感度を引き出すことになります。営業活動でも、この効果を意識して会う回数を増やせば、お客さまに気に入っていただける可能性が高まります。その結果、成約にいたる確率が高くなるということです。最初は興味・関心のなかったモノや人物でも、頻繁に目にしたり接する機会が増えることにより、だんだんと良い印象を持つようになるという経験は何となく理解できます。

ランチェスター戦略の中にある販売力は接触量(訪問件数の2乗×滞在時間)で決まる、に通じるものがあります。この効果を営業やマーケティングなどに利用することは、有効な戦略ですので、参考にしてみてください。

2021年6月号 離職率の高さはよくない?

 日経新聞4月27日号に住友商事の20歳代の管理職抜擢制度の導入を決めたとの報道がありました。若い人のキャリア感は着実に変化し、企業側の対応も変化しています。一般的に離職率が高いことは良くないという認識があります。しかし、一概に良くないことと言い切れないようです。現在、全体平均離職率が15%前後なのに対し、新卒入社の従業員の3年目までの離職率は30%を超えており、人材の流動性がさらに活発化しています。人気企業の定着率が高いかといえばそうでもないのです。もはや、定着率の良さは過去のことではないでしょうか。
 離職率を上げる要因には、確率的な側面をもつ場合もあります。新規事業を立ち上げる企業の人事では、新分野であるが故に対応できない社員もある程度増えるのはやむを得ないでしょう。その企業にとって必要でかつ従業員にとっても活躍したいと思う人が残るのがお互いの為でもあります。ただし、10年間は下積みという価値観は今や通用しません。また、近年の顕著な傾向として、ネガティブな側面がなくても、より自分らしい働き方を求めて転職に踏み切る労働者が増えているといわれています。
 企業側・経営者としては、価値観や理念の共有ができるかどうかが大切になってくるのではないでしょうか。そのためにしっかりとした経営戦略、経営理念、そしてそれに沿った成長をもたらす待遇を含めた人事戦略が必要になってきます。少なくともその人の成長と企業の成長につながる離職であって欲しいものです。

2021年5月号 中小企業の淘汰の時代へ突入か?

 コロナ禍で資金繰りに困窮する中小企業には、持続化給付金という資金支援がありました。次の策として出て来たのが事業再構築補助金です。1兆余りの予算規模から非常に注目されている補助金です。基本は新しい事業へ前向きに取り組む為の設備投資を支援する補助金であり、コロナ禍によりダメージを受けた企業で新しいチャレンジにより事業の再構築を図る事業者が対象です。持続化給付金とは趣旨が違い、誰でも利用できる制度ではなく、かなり高いハードルが設けられています。またこの補助金は、自己負担を抑えながら事業転換はできるといっても、1/3は自己資金を要し、採択してからほぼ1年後に資金が提供されるので、その間の資金繰りは自前あるいは金融機関からの支援で行う必要があります。つまり資金繰り困窮企業にはかなり難題なのです。また、事業計画書の作成だけではなく、補助金を採択された後も実績報告等の事務コストが発生します。
 最も難題は、補助金の対象は「新分野展開」や「業態転換」、「事業・業種転換」など、会社の命運を賭けておこなう事業の見直しだということです。多額であればあるほど、これはそう簡単にできるものではなく、経営者の強い覚悟と、実現可能な事業計画、補助金に関する正しい理解と徹底した進捗管理が必要です。場合によっては返還を求められるというリスクもあります。
 こうしてみると、体力ある企業しか支援しないという中小企業の淘汰再編に向けた取り組みが始まったと考えるべきであり、これが加速していくであろうことが見えます。生産性の低い企業の延命には終止符が打たれる可能性が強いのです。まず今の事業を軸に違った展開ができないかを真剣に考えていきましょう。

2021年4月号 補助金情報をお届けします

 平成24年8月に中小企業等経営強化法に準じて中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されています。認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の中小企業支援機関等を経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。当事務所は施行当初より認定を受け顧問先様のご支援を続けて参りました。
 今後ご支援の一つとして補助金などの最新情報をリアルタイムでお届けするようにいたします。尽きましては顧問先の皆さまを「FASクラブ」のメルマガへの登録したくご案内致します。「FASクラブ」とは、当事務所が加入している経営革新等支援機関推進協議会の組織です。そこから当事務所に代わり補助金等の最新情報を提供するサービスです。この情報提供サービスは無料です。担当者から随時ご案内を差し上げていますが、まだの方で登録希望の方は当事務所までメールアドレスをご連絡ください。
 アフターコロナ禍対策で、政府は様々な補助金を設けています。主要なものには「事業再構築補助金」、「ものづくり補助金」や「持続化補助金」があり、予算規模をアップして継続されています。
 国や自治体からの支援策について、我が社に当てはまるものはないかチェックしましょう。補助金に関する実際のご相談等には当事務所が対応致します。

2021年2月号 コロナの教訓

 コロナウイルスが終息しても、売上げは以前の水準の戻ることはなく、概ね80%程度ではないかと予測されています。コロナ禍の経験での教訓は、売上が数年に一度は半減するかもしれないということを織り込んだ経営が必要だということです。企業を継続していくためには「危機への忍耐力を付けておく」という目線での経営財務の戦略が必要であるということでしょう。具体的には経営安全率目標は20%を確保する。50%下がった売上げが半年続いた時の資金は大丈夫かといった目線が必要です。

2020年12月号 コロナ後の企業経営を考える

 コロナ禍は、いまだにその影響を及ぼしており、経済活動は⼤きく変化してきています。過去もいろんな災いが繰り返し発⽣し、それを克服しながら前進してきました。繰り返されてきた時代の変わり⽬にどう変化していくかが求められます。新たな⾏動習慣、ライフスタイルは、新たな商品、サービスを必要とします。働き⽅も変化します。過去そうであったようにスタンダードだった物事は遺物化していくでしょう。
 ⼤⼿の会社が今年から年賀状を廃⽌することにしたとの案内が来ました。理由は資源の無駄遣いを避けるということです。このような流れはおそらく広がっていくでしょう。また政府が最⼤の⽬標としてるIT(デジタル)化も加速的に進んでいくでしょう。これらの経済的影響を考えてみればおのずとそれにかかわる⼈的・物的影響は⼤きなものになるはずです。このような⾏動習慣の変化を傍観していると、あなたの会社は衰退の道を歩むことになります。
 コロナ禍をきっかけとして、⾃社の強みや弱みを再認識し、⾃社の商品やサービスを今⼀度⾒直して、時代に合ったものに変えていくことが必要です。そのためには貴社を取り巻くいろいろな情報を⾒極めて、社会の要求はどこにあるのか察知し、サービス、商品を⾒直し作り変え、その提供⽅法も⾒直す必要があります。そして⼤事なのは、その⾏動をいち早く起こしていくということです。

2020年11月号 デジタル化に対応していきましょう

 菅首相は、デジタル庁の創設など規制改革と行政改革を進めるべく動き出しました。国税当局も納税者の預金の情報を入手するためのデジタル化手続きの実証実験を10月からスタートさせたということのようです。
 令和2年分の確定申告から、電子化の誘導の為に青色申告特別控除の額を55万円に10万円引き下げ、かわりに電子申告をした場合にのみ10万円上乗せすることに変わりました。いわば紙ベースは10万円のペナルテイを掛けますということです。大企業の電子申告の義務化もされました。確定申告の印鑑不要も令和3年分から実施の予定。このように税制面では、優遇を掲げながらの電子化への誘導が行われていくでしょう。
 この流れは税制面以外でも同様です。生産性向上の為にも、働き方の改革の為にも、企業はIT化をどんどん進めていくことは必然です。会計での手書きはもはや過去のこととなりコンピュータ化が当たり前となりました。これによりかなりの効率化がはかられてきたはずです。しかし、まだまだ給与計算の手書き等、データの手書きが多く残っています。多少の費用が掛かってでもデジタル化はそれ以上のメリットをもたらすことはやってみてわかることです。事務所としても研究しながら効率化合理化を支援していきます。

2020年10月号 経営者保証をなくしていくために

 事業承継にとって経営者保証が大きな障害になっています。一般的に借入には保証人が必要なのですが、後継者にとって保証人にならなければならないことで、事業承継のネックになっています。このことを解消するための施策がとられています。事業承継ネットワーク事務局に在住する経営者保証コーデネーターがアドバイス支援する対策も取られています。とは言っても、その土台に乗るかの要件があり、ハードルは決して低くはありません。経営者保証を外すかどうかの判断は最終的には金融機関の判断にゆだねることになります。
どのようなハードルがあるかですが、主要な要件は下記の通りです。
①事業承継計画書を作成していること。
②決算書が、税務署提出決算書類が金融機関にも適切に開示されていること。
③原則経営者が法人の事業用資産を所有していないこと、所有しているときは適切な賃料であること。
④法人の収益で借入金返済能力があること。条件変更をしていないこと。
⑤毎月の試算表・資金繰り表を金融機関に提出体制が整っていること等があります。

 これらをクリアーできる会社になっていない限りは、なかなか難しいということです。これからどうやって対象となる会社にしていくかが課題となってきます。

2020年9月 社員を大切にする

 社員を大切にしましょうと、よく言われることです。では、社員を大切にするとは、どういうことでしょうか?
楽しく働いてもらうということでしょうか?夢と希望を与えるということでしょうか?私はすこし論点が違うような気がします。社員を大切にするというのは、社員を人間的にもスキルにも成長させ生き抜く力を身に着けさせることではないでしょうか。人間どこでどうなるかわかりません。平穏無事な時はいいのですが、苦境に陥った時に脱出する力を持っている必要があります。親は子供をしっかり生きていってほしいからこそ、そして大切にするからこそ、甘やかさずに育てます。社員も同じではないでしょうか。

 リーダーの仕事は従業員満足度を高めることにあるともいいますが、それは、福利厚生制度を高めることではないのです。どんなに厳しい環境になっても力強く生きていけるように、人を育てる組織、そういう社風にすることで、そこに満足度を感じる社員を作ることです。まずは、社員の成長にこそ経営者は責任を持つべきではないでしょうか。その社風を持つ集団であれば企業は強くなれるはずです。

2020年8月 優秀な人材について

 人手不足の中人材の確保にご苦心されていることと思います。ただし、不足するからといって性急な人材確保は、かえって組織と事業を混乱させることになりかねません。すべての会社が優秀な人材を欲しいと思っているはずです。では、その優秀な人材とはどのような人でしょうか?頭がいい?人柄がいい?一見正しいように思えますが、そうとはいえません。優秀な人材は「自分の会社にとって優秀な人材」ということです。他社では優秀と思えなかったけれど、我が社ではとてもいい仕事をしてくれるといったことはよくあることです。その逆もしかりです。どこにその違いが出てくるのか。それは自社が求める価値観・人間性・使命感といった潜在的な要素に左右されます。その人が合致した時に、自社にとっての優秀な人材となるのではないでしょうか。この潜在的要素は生まれ育った環境とかで様々で、どれが正しいとも言えません。ただ言えるのはその潜在的要素は訓練とかではなかなか変えにくいということです。

 一方、知識やスキルは健在的な要素ですが、これは勉強や訓練で身に着けることができます。人材の確保をするときには、まずは「自社にとって優秀なのかな」を考えてはどうでしょう。この部分の共感を得る人の集団であれば企業は強くなれるはずです。

2020年7月 攻める経営

 先月は備える経営の話をしましたが、今回は攻める経営についてです。
端的に言えば「投資のできない会社は成長できない」ということです。会社を成長させるとまで言わずとも継続させることは経営者の目標ですが、実際には、成長できない継続が難しいと悩む経営者は少なくありません。会社の利益は「売上 - 経費 =利益」で計算しますから、利益を上げるために売上げを伸ばす、経費を削減するということばかりに目が行きがちです。そしてややもすれば、経費だけでなく投資まで削減して売上を上げようとする無理な対策となり、ますます悪循環で負のスパイラルに陥ってしまいます。そういった努力をしているつもりなのに、成長できないその原因は「成長の為の投資がない」ということが多いのです。
 事業はライフサイクルがあって一定の成長をした後に伸び悩む停滞期を迎えます。商品やサービスの寿命は2~3年だといわれています。 会社は常に設備や人材やノウハウに対して投資を行い、新しい商品・サービスの価値を創りださなければ成長できません。特に変化のスピードの速い今日、成長できない会社から脱却するために、新しい価値を創りだすための投資を考える必要があります。じり貧になってからはそれもままなりません。金融機関はじり貧の中での投資にはリスクが伴うので、なかなか融資には応じてくれません。今内容がいい時に、お金があるときに対策をとっていきましょう。会社のM&Aによる新事業展開なども検討に値する有用な投資であるといえます。

2020年6月 新型コロナウイルスによる影響

コロナの影響による企業の事態はそう甘いものではありません。概ね30%の企業が資金調達(支援)を得ています。70%の企業が売り上げ減であり、この影響はじわりじわりと全体に影響を及ぼしてくるでしょう。大方の地場の中小企業の資金事情ですが、いわゆる固定経費の3か月分程度の資金を持っているのはいい会社の方です。別の見方で、当座比率で言えば良い会社で150%くらいです。つまり、2、3か月で預金は底をつきます。 当座比率 =(現預金+売掛金)÷(買掛金+短期の未払金+支払手形)
 今回、将来不安も考え6月分程度の固定経費をまかなえるように借り入れをし、この窮地をクリアーしています。
問題は、これらの借り入れのこれからの返済です。ご承知のとおり、借入返済の財源は利益(減価償却前利益)しかありません。借入金÷返済財源=借入金償還期間は10年以内が望ましいのですが、今回の借り入れによって長期化するでしょう。コロナ収束後に、利益はコロナ前以上に出ることは考えにくく、むしろコロナ前に戻るには2年ほどかかるかもしれません。コロナ対策資金は据え置き期間がありますが、返済が始まれば、「既存借り入れ返済+コロナ対策借入の返済」と、返済額は増えます。その分利益を余計に確保しないと返済はできません。
 今は借り入れでつなげたとしても、利益の持続とともに利益の増加が今後のポイントになるということです。いかに早く、事業を軌道に乗せ、コロナ以前以上の利益を出すか、企業は工夫をしていかなければなりません。非常に厳しい取り組みが求められます。シビアーな事業計画が必須です。

令和2年3月 備える経営

 数年前に同義のことを書いたのですが、「備える経営」のことを改めて書きたいと思います。
企業経営は経済の浮き沈みの影響を受けやすいものです。経済の浮き沈みは、避けられないことは歴史が示しています。まさにコロナウイルスによる危機もその一つです。より影響を受けやすいのは吹けば飛ぶような中小零細企業です。まずはそのことを認識しておく必要があります。そのことを認識した上で、ではどうすればいいのでしょうか。それは「備えること」です。予測されることですから、「備える」ことはできるはずです。
 「備える」というのは、1.「リスクに備える」という意味と 2.「チャンスに備える」という意味があります。えてして「チャンスに備える」ということが忘れられがちです。事業をしていると、チャンスがきます。例えば、特に景気の悪い時期には安く手に入る土地が出てきたりする等です。その時「ああ、も少しお金があれば購入したいのになあ」と思うわけです。ピンチの時は裏を返せばチャンスでもあるのです。決算の内容が良くないと、銀行の借り入れもままなりません。いざというときのために、事業の財務体質を良くしておくことは、まさに「備える」ということなのです。生き残る経営者は、今だけ良ければとは思いません。長期的展望に立って「備える」ことの認識を大切にしているのです。そうすれば結果的にうまく回るのではないでしょうか。

令和2年2月号  IT化を実現していきましょう

 働き方改革が叫ばれ、年次有給休暇の5日取得が義務付けされ、企業の働く時間は少なくなってきています。労働力不足も深刻な課題です。そんな中により質の高い仕事を求められています。優先対策は時間のより有効な活用をどう構築するかです。オフィスにはコンピュターは必要不可欠です。会計の自計化は当たり前で、預金取引を読み取り自動で会計帳簿へ記帳することも進んできました。領収書からの読み取りもできるようになってきました。帳簿も紙の世界から今や電子帳簿でCD一枚です。決算書も金融機関にデータで自動的に送付できるようになりました。IT化する最大のメリットは業務の効率化であり、つまりは時間短縮です。
 結果としてペーパーレス化も可能になるのです。AIの活用もすでに進化しています。近い将来、というより既に現在では、IT技術を用いコミュニケーションを重視したICTが主流になり、様々なシステムやツールが開発され、多くの企業に導入されています。こうなってくれば情報セキュリティ上の様々な脅威を、未然に防ぐための対策も合わせて施していく必要があります。私たちTKC会計事務所ではこれらをいち早く導入し、お客様を支援しています。

令和元年12月 賞与支払いの参考にしてください

賞与を払うとき、何の根拠もなく支払うのではなく、労働分配率を考慮し、払える資金量を算定してみましょう。賞与を含んだ人件費総額を 限界利益額×労働分配率 で計算するということです。
  直近の試算表を基に12月迄の予想売上、月例給与を加え下の表に当てはめて、賞与資金限度額算定してみてください。おおかたの総資金量が算出できます。この資金量を、どう配分するかは人事考課でします。

令和元年12月 賞与支払いの参考にしてください

令和元年11月 マイナスオーラを駆逐しましょう

新しい取り組みの芽をつぶすのは、マイナスオーラです。マイナスオーラ、つまり否定から入ってしまうことです。ビジネスの現場でそのようなマイナス思考では、衰退する一方です。やるべきことはやらないといけないわけです。否定的な雰囲気を緩和するためには、ルールを変え、方針を明確にすることが大事です。 例えば、「否定をするのなら代替案を必ず出しましょう」とか。会社をよくするためにやっているのにも関わらず、内部から後ろ向きのオーラが蔓延すると進むべきことも進まなくなります。せめて内部では前向きに進められるようにしておきたいものです。
 
例えば最近は、「働き方改革」が叫ばれていますが、とかく、この改革には経営者(特に高齢経営者)は違和感を感じる方も多いようです。どうも改革と甘やかしを混同してしまうことからくる違和感のようです。その違和感がマイナスオーラをまき散らすことになりかねません。この克服には共に計画・ビジョンを考えることが大切です。そこをめんどうくさがってはいつまでたっても解決できません。ここを克服したときに、従業員さんがやりがいを持ち社長と同じ価値観で働くことができます。きちんと行動計画を実行すれば、生産性は落ちるどころか上昇し、会社が大きく変わります。

【お知らせ】  年末調整の必要書類を準備しましょう

年末調整の際には、さまざまな書類が必要になります。年末調整で使う主な書類は、以下のとおりです。そろそろ準備しましょう。

〇給与所得者の扶養控除等(異動)申告書:配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除などを受けるために必要な書類です。会社に提出しないと年末調整が受けられません。配偶者や扶養親族がいない人なども含め、年末調整の対象になる人は全員提出しなければなりません。
〇保険料控除申告書:生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除を受けるために必要な書類です。
〇配偶者特別控除申告書:配偶者控除や配偶者特別控除を受けるために必要となる書類です。
〇住宅借入金等特別控除申告書:住宅ローン控除を受ける従業員が提出する書類です。住宅ローン控除を受ける場合、初年度については確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整により控除が受けられます。
〇中途採用者の場合の旧職場の源泉徴収票:旧職場分も合算して年末調整をします。

令和元年10月 経営に活かす会計の基礎

今回は、設備投資をするときに会計の面から注意すべきことをお話しします。
設備投資は自己資金によってするのが望ましいのですが、一般的にそうはいきません。不足資金は銀行から借入をすることになります。そこで、いくら借りるか?何年返済で借りるか?を判断しなければなリません。

たとえば、こういう事例を考えましょう。
設備投資に1200万円かかり、自己資金が200万円、借入金を1000万円して、
これを5年で支払いたい。返済額は毎年200万円、毎月返済元金は約16.7万円ということになります。

さて、ここで質問です。どうして、自己資金を200万円としたのですか?
どうして、借入金の返済を5年としたのですか?

もしその答えが、足らないから借りた、早く返済したいので5年にした。この答えで設備投資をすると、とんでもないことが待っています。往々にして、そういう事例は山ほどあるのです。よくあるのが、「早く返したいので4年で申し込もう」という考えです。これは最悪の考え方です。資金繰りが悪化し、必ず失敗します。

この問題のポイントは、2つあります。①どうして自己資金を200万円としたのか?
②借入金の返済期間を5年にしたのか?です。

まず、なぜ5年にしたのか?それは正しいのかを見ていきましょう。
ここで検討すべきは、年間いくら返済できるのか?です。その返済可能額がわからないことには、何年で返済するべきかはわからないはずです。

さて、今一度事例をみてみましょう。 借入金は1000万円の予定です。
まさか、何の計画もなしでこの借り入れをすることはないでしょう。金額が小さくてもです。
まずは計画が前提です。

設備投資後の計画を立てたところ損益計算書は下記のように予想されたとします。
計画損益計算書
売上高 5,000万円  売上原価 3,500万円  売上総利益1,500万円
販管費   1,400万円(内減価償却費100万円)  税引前利益  100万円
さて、この予想で借入金の返済可能額財源は、どう計算するのでしょうか。
税引後利益+減価償却費で計算します。キャッシュフロー(狭義)と言います。

では計算してみましょう。
まず、税引後の利益を計算してみましょう。
税金は国・県・市全部で約25%です。ですから残る税引後利益は
100-(100×25%)=75万円です。
返済可能財源は
税引後利益+減価償却費 = 75+100=175万円 です。
これでは毎年200万円の返済は難しいですね。

では、1000万円は何年で返済できるでしょうか?
ここまでくれば後は簡単です。1000万円÷175万円=5.7年
つまり6年以上の返済にすべきことになります。このことはしっかり理解しておく必要があります。 

【お知らせ】  第48回経営セミナーの開催ご案内  
日 時 :令和1年11月8日(金) 14:00 ~ 16:30
場 所 :伊万里市民会館(2階:第一会議室)
内 容 :第一部 14:00~14:45『外国人雇用の注意点』講師:税理士 金元敏弘
     第二部 15:00~16:30『決算書を経営に活かすための考え方』講師:山浦義行

人手不足で外国人雇用も視野に入れなければならない時代になってきました。その時に備えて留意すべきことの概要をお話しします。
後継者の方が経営に携わる事例が多くなってきました。その方々のために改めて決算書の見方の、基本的なことを学ぶ機会にしたいと思います。前回に引き続きの内容です。多くのご参加をお待ちいたします。

48回経営セミナーの開催ご案内

令和元年9月 経営に活かす会計の基礎を学びましょう

経営安全率で経営の余裕度を測る

 経営安全率とは、会社の余裕度を測る尺度です。損益分岐点は利益ゼロのレベルですから、当然それを超えれば利益が出ることになります。経営安全率は損益分岐点売上を分母にした売上の比率です。つまり、この経営安全率が100%を越えていれば、その会社は損益分岐点を越えている売上高を計上していることになります。したがってその会社は黒字というわけです。この割合は逆に見ていくことに意味があります。110%だとすれば、売上がもし10%ダウンすれば赤字転落ということです。もし95%ならあと5%以上伸ばせば黒字になるということです。
目標設定の為の指標として経営者の方は意識しておきましょう。

令和元年8月 経営に活かす会計の基礎を学びましょう

 今や、正しい決算書は当たり前の世界です。正しい決算書でないとデータの分析も間違ったことになってしまいます。すべての前提は正しい決算書であるということです。
それを前提として、決算内容が良くなってほしいのは経営者の誰しもが願うところです。良くなるためには目標が必要です。以下にTKCのデータの黒字企業平均を載せていますので、参考にしてください。まずは損益の目安です。売上100に対してそれぞれの指標がどれくらいかということです。自社の概ねの指標を知っておくことはとても重要です。労働分配率は 人件費÷限界利益です。人件費には社会保険料も含みます。

平均的財務係数の目安(%)


建設製造卸売小売飲食サービス
売上
100100100100100100
限界利益
506030377075
売上総利益
273030376568
経常利益
5632.545
労働分配率
586052545252

令和元年7月 経営の数字を理解する

 前号で、経営者としては自社の変動損益計算の概略を頭の中に把握しておくことがとても大切です。というお話をしました。仕事柄、経営の再建にかかわる機会が多くあります。そこで感じることがあります。すべてだとは言いませんが、経営の数字を読み取れない経営者が実に多いのに驚きます。同時に税理士の責任も感じます。                               
 経営は資金が途絶えたら成り立っていかなくなります。なので、経営の実態を現した毎月の試算表や決算書を読み取ってそれを理解することが重要です。ひと昔前はイケイケどんどんの時代でしたので黙っていても売り上げが伸び、利益も上がっていました。金融機関もお金を貸してくれました。ところがその時代はとっくに終わっているのです。しかし、まだそのことに気づいていない経営者は高年齢の方に多いように思います。そのような会社の引継ぎをする後継者は苦労します。数字のわからない先代との経営に関する方針のすり合わせは実に難しいのです。それでも、後継者に任せていただければまだいいのですが、妙に口出しが入るとより厄介です。無借金で会社の経営基盤もしっかりできているのならまだしも、そうでない会社の再建再生を背負った後継者は大きな経済的・精神的負担を負います。そのような会社なのに口出しをされたのでは改革がより困難になるのです。金融機関の支援を仰ぐことも難しくしてしまうのです。
 経営者の皆さん、20数年前までは、数字はわからなくとも流れに乗りさえすれば経営はよくなりました。今は全く違います。経営の結果である数字を読み取り、計画を立て、行動を起こし、計画と実績の比較をし、できてなければ課題を明確にして、課題解決のために知恵を絞って取り組んでいく、といったサイクルで取り組んでいかないと100%経営は長続きしません。逆にそうしていけば100%良くなっていきます。実践上そう言い切れます。ただしすべて根底に経営の数字を理解していればの話です。

令和元年6月 経営に活かす会計の基礎を学びましょう その4

さて、前号で変動損益計算書のお話をしました。
そこで、経営者としては我が社の変動損益計算の概略を頭の中に把握しておくことがとても大切です。ではどれくらい把握しているかを確認しましょう。自社の(     )を埋めてみてください。
①限界利益額は 売上高-変動費 だから (        )千円である。                 
②限界利益率は 限界利益÷売上高 だから (        )%である。                 
 *同業他社の限界利益率は  (    )%である。                    
③我が社の限界利益率は当期 (        ) %     前期(       ) %  である。                
 従って A.良くなっている。   B.悪くなっている。  
④我が社の売上があってもなくてもかかる固定費は(           )千円である。                   
⑤この固定費を限界利益で稼がないと赤字になるが、
 我が社の固定費は(           )千円で、 限界利益額は(            )千円 だから           
   A.まかなっている。    B.まかなわれていない。
 注:固定費の伸び率は、限界利益の伸び率以内に押さえるのが望ましい。
⑥我が社の損益分岐点売上は(        )千円である。
損益分岐点売上=固定費(     千円)÷ 限界利益率(   )%で求められる。
すべてすらすらと答えられましたでしょうか?

令和元年5月 経営に活かす会計の基礎を学びましょう その3

損益分岐点分析をする場合、まず理解しなければならないのは、「費用の発生の態様によって費用を固定費と変動費に区分する。その区分した損益計算書が変動損益計算書です。」ということをお話ししました。
「変動損益計算書の見方」を学びましょう。
限界利益という言葉を理解しましょう。
限界利益とは売上から変動費を控除したものです。
限界利益 = 売上高 - 変動費 = 1,000-600 = 400
この限界利益400で
売上げがあってもなくてもかかる費用である固定費300を賄わなければなりません。
まかなえないと、赤字ですし、まかなえれば黒字です。
この限界利益を売上高で割ったのが「限界利益率」です。
限界利益率 =  限界利益÷売上高 = 400 ÷ 1,000 =40%
つまり、限界利益率とは、商品を売る場合に何%が限界利益であるかを示します。
「損益分岐点売上」を知りましょう。
ちょうど固定費をまかなうことができる売上高が「損益分岐点売上」です。
つまり、 (売上高 - 変動費)- 固定費 = 限界利益 - 固定費 =0 となる売上高です。
では、その売上高である「損益分岐点売上」はいくらでしょうか?
売上X × 40% (限界利益率)= 300(固定費)となればよいのですから、
売上Xは  300 ÷40%=750 となります。 固定費と限界利益率がわかれば、すぐ計算できるのです。

【お知らせ】  第47回経営セミナーの開催ご案内  
日 時 :令和1年6月13日(木) 14:00 ~ 16:30
場 所 :伊万里市民会館(2階:第一会議室)
内 容 :第一部 「消費税改正の再確認」 講師 税理士 金元敏弘
     第二部 「決算書を経営に活かす(仮題)」  講師 税理士 山浦義行
適用が目の前に迫ってきた消費税10%、軽減税率への対応など、再度確認をしましょう。
後継者の方が経営に携わる事例が多くなってきました。その方々のために改めて決算書の見方など、基本をしっかり学んでいただきたいと思います。多くのご参加をお待ちいたします。

平成31年4月 経営に活かす会計の基礎を学びましょう その2

経費(費用)を固定費と変動費との二つの種類に分けて分析する  

 いくらの売上げを上げれば収支トントンになるかを理解することはとても大切です。それを損益分岐点の売上げといいます。それを計算するためには経費を二つに分ける必要があります。「固定費」と「変動費」の2つです。変動費というのは売上高の増減に比例して発生する費用です。一方、固定費というのは売上高の増減に関係なく一定金額が発生する費用です。

 損益計算書をみると、まず売上原価があります。 商品が売れた分の仕入コストが売上原価ですから当然売上げが増えれば増えますし減れば減ります、つまりこれは変動費です。これ以外に販売手数料なども売上高に比例するので変動費となります。

 一方、家賃、人件費、設備等の減価償却費、支払保険料などは売上高の増減に関係なく発生しますので固定費として扱います。なかにはいくらかは両方の性質を持つ経費もありますが、厳密に分ける必要はありません。

 この区分で作られる損益の計算書が「変動損益計算書」といわれるものです。お届けしている月次の実績資料の中にこの資料があります。

 これに対して決算書にある損益計算書では費用をこのように区別していません。 費用の中身によって、交通費とか販売促進費だとか区別しています。つまり固定費、変動費という区別の仕方と、決算上の費用科目の区別の仕方は違っているわけです。経営に活かす会計の分析の為には実は変動損益計算書が必要なのです。

平成31年3月 会計の基礎を学びましょう その1

 言うまでもなく会計は企業経営の羅針盤です。経営者に会計数字の重要性を認識していただくだけで、会社が黒字になる確率は大きく高まります。そもそも会計とは、倒産を防ぎ健全経営を行うために創られた制度です。つまり会社を強くするための武器であると認識することが重要です。経営者が、会計を申告・納税のための「義務」だと考えているなら、それは間違っています。有効に活用することで、企業経営をいかようにも方向付けることができるということをまずは認識しましょう。数か月にわたり、会計の基礎について今一度学んでいきたいと思います。

 さて、利益が出ない理由は簡単です。利益は 売上−経費=利益 ですから 売上 < 経費 の時に赤字になるわけです。では資金不足になる理由はどうでしょう。利益が出れば資金はその分増えるでしょうか?必ずしも増えません。ここが重要なポイントです。

 最もシンプルな事例で見ましょう。売上100、経費80 だとしましょう。利益は100-80で20です。
では資金はどうでしょう。20増えるでしょうか?増えるためには前提があります。全部現金で取引された場合のみです。売上代金が掛けで、経費は現金払いだと資金は80不足することになります。利益が出ているのになぜお金がないのか?の一つの理由です。このように利益と資金は必ずしも結びつかないことを、まず理解しましょう。

 会計のルールは売上の計上は商品を引き渡したときにします。現金をもらった時ではありません。仕入代金なども同様に商品引き渡しを受けたときに計上し、お金を払ったときに計上するわけではありません。このような会計のルールにより損益計算書の利益が計上されているので資金感覚の差が出るのです。次号は経費について学ぶ予定です。

平成31年2月 全体最適と部分最適

組織の運営状態を考える上で、全体最適と部分最適ということが言われます。全体最適の状態とは、企業のビジョンや戦略に従って、各部門の目標、戦略が策定され、中間管理職から担当者までが全社の戦略に従って、会社全体の利益のために活動している状態です。一方で、部分最適とは、個々人や一部門では成果を上げていますが、会社全体の利益には貢献できていない状態です。たとえば、営業部門が頑張って受注を取った(部分最適)ものの、製造部門の製造能力以上の注文を取ってくれば、不良品発生や納期に間に合わないなどのトラブルで、結果的に会社の利益にはつながらない(全体最適ではない)ことになります。きちんと工場の生産の力等を見ながら、注文を取ってきて、全体として業務に無理がない状態にする必要があるわけです。

 部分最適が起こる理由は、一般の社員は、会社全体の利益や方向性について、検討・考慮するだけの情報やスキル等が不足していることにあります。各部門や個々人は自分の持ち場において、求められていることをしっかりとやっていると認識している場合が多く、それが部分最適をもたらしてしまいます。

 経営のためには各部門や個人が全体最適に沿って動くように組織をマネジメントすることが大切です。 部分最適からの脱却し全体最適へと導けるのは、会社の方向性を決めることができる経営者しかいません。

平成30年12月 会社経営がうまくいかない大きな原因

 会社経営がうまくいかない大きな原因は「会社の問題が何かがわかっていない」ということが多いようです。
その問題を経営者自らが把握する必要があるのですが、経営者自身に問題があることも多いのです。実はこのことが経営の改善の大きな障害になっていることは多いものです。課題をあぶりだしてきたとき、実は経営者自身の課題があぶりだされてくるために、現実を見ようとしないということが起こります。典型的な例は「昔はそうではなかった」「俺は頑張っている、社員が言うことを聞かない」「そうは言うけれども・・・・」と実に否定的な言動です。課題に向かい合おうとしないとなれば結果は最悪です。

 教育をしているつもりが、社員はしらけています。そういう経営者はえてして社員に対する、また顧客に対する感謝の気持ちが薄いようです。それでは社員のモチベーションも上がるはずはありません。改善の進まない会社の多くは経営者自身がそのことに気づいていないという非常に厄介な問題を含んでいます。

 経営者が「まずは自分自身が変わらなければ」という強い意志がなければどんな対策も改善には向かいません。経営の基本である「企業の継続」を念頭に置き健全は方向に進めるために「経営者自身が変わる」という強い意志をもって事に当たっている会社は見事に復活しているのも事実です。

平成30年11月 強みを創って活かしましょう

 お客様の選択基準は自分にとって一番であるということです。 企業側に立ってみれば強みです。

 そのため、企業がお客様に選択されるためには強みが必要だと言うことです。強みが我が社のセールスポイントなのですから、そこをより磨いていくことが経営を良くするポイントです。弱みを克服するよりも強みを活かす対策の方が効果がありパワーは少なくて済みます。

 となれば、まずは自社の強みは何だろうとしっかり検討することが必要です。もし強みが無いということであればお客様の支持は得られません。経営も先細りになるでしょう。強みを必死に創り上げなければなりません。

 強みはいろいろあります。価格、機動性、商品の機能、販売員が親切等々多種多様です。 企業は多種多様な要素のなかで、何かで一番(圧倒的強みを持つ)であることが継続の秘訣です。決して大企業だからすべて有利であるということではありません。 是非我が社の強みを探しそれを磨いて生き残りをかけましょう。

平成30年10月 人材を人財に

 経営には資金が必要です。この資金の源は売上です。売上は人の活動で生まれます。従って、経営者にとって、いかに人(従業員さん)に仕事のできる人財に成長してもらうかが課題です。経営不振→資金不足→従業員待遇の劣化→教育資金はない→経営力不足→経営不振という悪い流れにならないようにしなければならないのです。

 逆の流れにすることで、資金が入ってきて、それを従業員さんのために使うことができます。業績不振に悩む社長は、まずは従業員さんの教育を優先することによってうまくいく流れに乗せることができるのです。

 えてして業績がアップしても従業員さんの給与等の待遇には目を向けない経営者があります。設備投資等ももちろん必要ですが、従業員さんの幸せを願うなら教育に力を入れることにも同じくらいの目を向ける必要があります。人材から人財になってもらうための教育を大切にしていくことも大切です。人を大切にする経営者が経営をうまく軌道に乗せられているのは間違いないようです。

平成30年9月 失敗から学ぶ経営

 失敗したいと思って会社経営をしている社長はこの世に存在しません。ですが、失敗があります。成功者の話は巷に多くあふれていますが、個々人の力量や環境や時代も違いますので、あまりあてにはできません。むしろ失敗の話を聞きその原因をなくせば、結果的に失敗のリスクが少なくなります。

 新しく事業を起こそうとしている方は、失敗事例を見て理解した方が得策と言えます。窮地に陥ってから這い上がるのは並大抵のことではありません。会社経営に立ちはだかる壁は、知らない事が起きるから怖いのですが、いろいろ想定されるリスクをシミュレーションしていけば、訪れるであろう壁は乗り越えることが可能です。我々は多くの成功事例や失敗事例を見てきていますので、少なからず失敗しない道、予防する道をアドバイスできます。

 要は、堅実に会社経営をしていくことで、事業の継続発展ができます。しっかりと地道に努力していきましょう。 とかく、お金を手にした時に人間は変わってしまいがちですが、起業後どのような地位になったとしても初心を忘れないことが経営の秘訣のようです。又、経営のことを学び、人を大切にし、自分さえよければという思想をいかに弱めるかが大切なようです。

平成30年8月 経営は行動

  経営のみならず目標(理想)をもってそれを達成していこうとするときに、その理想と現実のギャップを見つける必要があります。そのギャップを埋めていくことで目標が達成されることになります。ギャップは、「行動」でしか縮まることはありません。「思考(考える・思う)」をいくらやってもこのギャップは、絶対に縮まりません。いくら考えても行動を起こさないことには、課題は解決しません。

 「思考」は徹底的にすべきでしょう。課題が的を外れたものになっては意味がないからです。そして徹底した思考の末に「課題」が明確になったら、そのあとに重要なのは「行動」です。「行動」は、一時的なものであっては元の木阿弥です。徹底した行動、繰り返しの行動で習慣化されるまでする必要があります。その時初めて、成果が現れてきます。ここを続けられるかどうかが明暗の分かれ目のようです。

行動の後、検証と改善を根気よく続けていくことで結果を生むことができます。それが因果の法則です。それをするとしないとでは成果に差が出ることは皆さんわかっていることですが、ないがしろにしがちです。ないがしろにしないために皆様には少なくとも向こう一年の計画を立ててもらい、予実の管理を毎月してもらっています。その小さな取り組みが実は重要な取り組みなのです。そのことで行動を促すことができます。計画のない経営、予実(計画との対比)のない経営、予実のない試算表、半年に一度の試算表を想像してみてください。怖いものです。

平成30年7月 -見栄で経営すれば企業の寿命は短い-

 好景気の時代を体験し、事業が大きくなりいっぱしの資産家となり、地場で地位を築く、そして後継者はその事業を引き継ぐ。この時に3つの分かれ道があるように思います。1つの道は先代が昔の栄華をひけらかすことなく、後継者にしっかり経営を任せ、まっとうなアドバイスをする。後継者は先代を尊敬しつつも見栄を張らずに時代に取り残されまいと失敗しながらも経営にまい進しようとする。2つ目の道は先代が昔の栄華を引きずり、見栄を捨てきれず後継者の進む道の足かせとなる。3つめの道は後継者が先代の栄華を引きずり、見栄を張った経営から離れられない。果たしてどの道の企業が継続できていくでしょうか・・・。
 好業績が続いても、はしゃがず、いばらず、静かに経営理念に沿って経営をやっていく。偉大だけど見栄をはらずに、時には恥ずかしいこともあるかもしれませんが、企業としてやるべきことをやっていく、そんな経営の必要性を先祖代々伝えていく、このような地味な経営が必要ではないでしょうか。そういう企業が順調に継続できているようです。周りの目を気にして経営はやっていくものではないでしょうから。

平成30年6月 会議のポイント-批判は代替案をもって-

 批判、否定だけするというのは会議の中で、よくあるパターンです。批判には、大きく分けて二つのタイプがあります。ひとつは、自分が社外から、部外者として述べる批判。もうひとつは、社内にいて批判するというものです。この二つには大きな差があります。前者は、部外者なので批判が批判のままで終わってもいいでしょうが、後者の場合は、単なる批判で終わることは許されないということです。批判を加える以上、私はこうすればいいと思うと、少なくとも自分がベストでないまでもベターだと思える代替案をもって批判するという建設的批判であってほしいものです。あるいは「その意見にはこういう課題があると思う、そこをどう解決するか今私には思いつかないのですが」といった意見も必要でしょう。批判や否定の飛び交う会議は何も決まらないことが多いのです。そしてその批判や否定者の先頭が経営者ということになれば最悪です。会社自体が先に進みません。
 一方、批判・否定を受ける側もくさることなく素直にそのことに耳を傾ける努力が必要です。会議では自由闊達に意見が言える雰囲気であることが必要不可欠です。その雰囲気を壊しているのはもしかしたら否定批判を続ける経営者に原因があるのかもしれませんので、注意しましょう。たまには社長抜きの会議もしてみたらどうでしょう。建設的な会議になるかもしれません。
 話は変わりますが、社内会議の場以外で、得意先・取引先に行って自分の会社の批判をする、同僚の批判をする、こういう行動は墓穴を掘ることになるので要注意です。

平成30年5月 業務の効率化

 今、できるだけ時間外を少なくしようという企業努力が求められている時代です。また、人手不足の対応も求められます。そのためには個々人の意識とともに、業務効率化を本気で進める必要があります。
 効率化の為にまずコンピュータの導入が言われることですが、ただコンピュータ化するということでなく、いかにシステムを構築するかがポイントです。工夫次第で今までやっていた煩雑な業務を省略できるのです。例えば業務をクラウド化することで、外出先からも情報を確認したり、案件の動きを入力したりすることが可能になります。会計に関して言えば、一つの仕訳入力項目の工夫で、試算表のみならず様々なデータへの加工が可能です。そのことで手書き計算は不要になることがたくさんあります。またエクセルデータから会計データへの自動変換、預金取引から会計データへの自動仕訳変換、多くのパソコンから(外出先からも)システムを操作できるようにする等々で、様々な時間を短縮することができます。
 システム導入によって、毎日の一人の作業時間が20分短縮できたとしたら、1ヶ月で20分×20日=6時間40分の短縮となります。従業員1人当たりの給与を時給換算したとき、仮に1時間当たり2,000円とすれば、1ヶ月で2,000×6.6時間=13,200円が導入効果となります。10人いるのならなんと132,000円が全体での導入効果です。システムの導入費用が例えば月額50,000円だとしても安いものになります。時間外短縮の効果は福利厚生にもつながります。

■第45回研修会のご案内
『平成30年度税制改正について~事業承継税制を中心に~』
平成30年度税制改正の重要項目について解説いたします。その中でも経営者の皆さまにとって避けて通れないテーマである改正になった「事業承継税制」を中心に解説いたします。
日時 平成30年6月19日(火) 14:00 ~ 16:00
場 所 :伊万里市民会館(2階:第一会議室)

詳しくはこちら

平成30年3月 インタビュー取材商法にご注意ください

インタビュー取材商法というのがあります。決して法的には詐欺ではないのでしょうが、うまく法をすり抜けて、高額を請求されますのでご注意ください。まず、「御社はとてもがんばっている会社ということでインタビューさせていただけませんか?雑誌の記事にしたいので」と記者と名乗りながら電話アポがあります。我が社も記事にしてくれるほど有名になったのか、と喜び応じてしまうと、そこに落とし穴。実は広告記事のようなもので、高い金額を最終的に支払わせられるというわけです。

平成29年11月  研修会のお知らせ

■研修会のお知らせ
「経理担当者の経理に強くなる税法の基礎」のご参加ありがとうございました。
次の研修会は既にご案内の通り、下記にて開催します。まだお申し込みOKです。

○「成功する経営計画の立て方、実行の仕方」 経営幹部の方向けの研修会
平成29年11月17日(金) 14:00~16:00  場所:伊万里市民会館
経営計画の立て方、実行の仕方について解説致します。
経営者の想いを明確にして、従業員へ周知をすることにより、業績アップやモチベーションの向上等へも繋がるものと思います。

平成29年10月 架空請求のはがきに注意してください

顧問先にハガキが届きました。『総合消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ』と題し、送付人は『法務省管轄支局民事訴訟管理センター』となっていました。問題解決のために金銭を要求する内容です。質問があれば電話をしてくださいとなっています。もっともらしい文面で、送付人ももっともらしい名前です。受け取った方は以前に訴訟関係の問題があったので気になられたのでした。これは詐欺です。マスコミにも取り上げられ、ネットでも注意を喚起しています。得体の知れない通知には十分に注意して下さい。

■研修会のお知らせ
○「経理担当者の経理に強くなる税法の基礎」
 事務員さん向けの研修会
平成29年10月26日(木)14:00~16:00
場所:伊万里市民センター
経理をされる皆様が日々の業務を行う上で知っておいていただきたい会計・税務を学びます。

○『成功する経営計画の立て方、実行の仕方』経営幹部の方向けの研修会
平成29年11月17日(金)14:00~16:00
場所:伊万里市民会館
経営計画の立て方、実行の仕方について解説致します。経営者の想いを明確にして、従業員へ周知をすることにより、業績アップやモチベーションの向上等へも繋がるものと思われます。

平成29年9月 会計で会社を強くする2・正しい会計でなければ意味がない

「モニタリング情報サービス」の推進
 企業と金融機関との「情報の非対称性」の解消が求められています。情報の非対称性とは貸し手と借り手の情報量に格差があるということです。貸し手が借り手の情報をよく知らない。→ 円滑な資金調達ができない→企業の成長の阻害となる、というわけです。中小企業庁や金融庁はこの情報の非対称性を解消するために取り組んでいます。「情報の非対称性」の解消の為には「シグナリング」が必要でです。シグナリングとは積極的に情報優位者(企業)から情報劣位者(金融機関)に情報を提供するということです。そこで、事務所では紙ではなくデータでITを使い金融機関にタイムリーに決算書・月次試算表を届ける「モニタリング情報サービス」を実施しています。地場金融機関は既にこの取り組みを積極的に受け入れております。
早期改善計画の推進
 7月号で紹介しました【早期改善計画】の取り組みを随時進めています。単年経営計画はほぼ全社に取り組みをしておりますが、3~5年の経営計画を作成し金融機関に積極的に情報提供するというものです。このことで企業と金融機関と認定支援機関である当事務所と連携して経営の強化を支援をして行きます。

平成29年8月 「日本的金融排除」として、その脱却を迫る金融庁

 先日『捨てられる銀行』の著者橋本氏の講演を聴いてきました。その論調は金融庁は金融機関に本気で地域中小企業の支援を求めている、そして企業も本気の金融機関を選ぶ時代だということでした。
 以前にもお知らせしましたように、今、金融庁は地方銀行・信金・信組に対して担保・保証に過度に依存した日本の金融体質を「日本的金融排除」として、その脱却を迫り事業性評価などを活用した新しい切り口での融資を求め、基盤の弱い金融機関への積極的な再編(統合・合併)を推し進めています。
  金融庁の取組みは、政府も支持しています。改革を押し進める金融庁・森長官の任期も、異例にも1年延長されました。政府の国家戦略は、「少子高齢化にあっても、国力を維持すること」です。そうでなくては税収を維持できないのです。 減少する労働者人口でも生産性を上げること、地方の過疎化を一定の範囲に留めること、つまり地方創生なのです。そのために、地域金融機関がけん引役となり、それぞれの事業エリアで自ら経済を興し、資金供給し、発展させていくことが求められているのです。企業に寄り添う税理士との連携も求められていることも付け加えておきます。

平成29年7月 「早期経営改善計画」の取り組みが始まりました。 

 ○中小企業庁がすすめる「早期経営改善計画」の支援事業
『経営計画作成のための費用助成金を出しますので顧問税理士事務所(認定支援機関)と共に作成し金融機関に提出し、年に一回モニタリングをして下さい。企業と、認定支援機関と金融機関三つどもえで中小企業の活性化をを図るために計画経営を根付かせましょう。』というものです。
”改善”という言葉が入っていますが、必ずしも何かが悪いので”改善”しよういう計画ばかりではありません。これから事業をどう展開していこうという計画も含まれます。とにかく”計画に基づいた経営”をしていこうというものです。そういう前向き企業を支援するというものです。

 ○手続きの流れ
①企業が取引の金融機関様に対し、「経営計画を作り、予実管理をした結果を決算時に報告をいたします」という内容の申請書を出します。いわば計画経営をしますという宣言書みたいなものです。一般的には融資を受けているメイン金融機関様に出すことが多いと思いますが、借入はなくとも預金取引先に出してもかまいません。もちろん金融機関様はそれを拒む理由もありませんので申請をお受けいただくことになります。
②次に、これを管轄する中小企業支援センター様に「計画を作り金融機関様に報告することになりました」という報告を出します。
③それから認定支援機関である当事務所と企業の皆様と一緒に3カ年計画を作成します。これまでは事務所では1年計画策定が主でしたが、この計画は3年計画になります。取引関係図やSWOT分析などが加わり少し時間を要し費用が掛かりますが、補助金で持って事務所が作成を支援いたします。
 ○計画は企業経営の為の情報の集積の結果です。
将来は過去の延長線上にはありません。頑張ろう経営は成り立ちません→ ナビゲーション的経営・シナリオ経営が必要です。今が良ければでなく長期的視点の経営がより必要です。
金融機関依存型経営は崩壊しました → 依存ではなく協調の経営が求められます。
是非、この施策の意義を理解し、金融機関様の支援強力を仰ぎながら経営をより安定的なものにしていきましょう。

 ○全面的に認定支援機関である山浦税理士事務所が応援支援いたします。

平成29年6月 金融庁・森信親長官続投?の持つ意味

 金融庁・森信親長官といえば、橋本卓典氏の著『捨てられる銀行』にも詳しく書かれていますが、「強みのない銀行に残された時間は少ない」と、ここ2年で大きく金融庁の方針を変えてきたことで有名です。地方銀行・信金・信組に対して、担保・保証に過度に依存した日本の金融体質を「日本的金融排除」として、その脱却を迫り事業性評価などを活用した新しい切り口での融資を求めています。
 その森長官が今年7月で満2年を迎え、退任されると目されていたのですが、任期が1年延長されるとの報道がなされました。現在の金融庁の取組みは、政府が支持しています。森長官が来年7月までの任期にならなくとも次期長官もまた、森長官の方針を維持していくことが既定路線でしょうから、今更後戻りするようなことは考えられないでしょう。
 政府の国家戦略は、「少子高齢化にあっても、国力を維持すること」です。 そのための重要施策は、減少する労働者人口でも生産性を上げること、地方の過疎化を一定の範囲に留めること、各地方の経済を新たに興すことです。その実現のために、地域金融機関がけん引役となることが必須であり、この焦点に当てた政府と金融庁の方針が打ち出されています。
 地域金融機関にその事業エリアでの上記の姿勢が求められていると同時に、中小企業自身もその金融機関とタイアップできるように改革改善の意識を高めていく必要があるのです。

平成29年5月 我が社のライフサイクルを知る

事業を元気にするお役立ち情報
○経営全般   我が社のライフサイクルを知る
給与支給額増加の場合の税額控除制度の改正

金融機関の企業に対する取り組みを検証するデータの一つに「取引先企業のライフサイクルをつかむ」という項目があります。金融機関は企業のライフサイクルに応じた対応をしていこうというわけです。  そのライフサイクルですが、商品にもビジネスの仕組みにも人の一生に似たサイクルがあります。商品が市場に投入されてから姿を消すまでの流れを表すものです。ライフサイクルは、「導入期」→「成長期」→「成熟期」→「衰退期」という4つの段階をたどります。今我が社はどのステージにいるのかをつかむことが戦略を立てるために必要です。ステージによってお金の流れに違いがあります。
導入期:製品を世に知らしめるための費用や、生産設備を整えるための費用等支出が上回りがちです。
成長期:売上は順調に伸びます。次第にライバルも増え競争に打ち勝つための販促費等を必要とします。資金収支はプラス・マイナスゼロに近い状態です。
成熟期:競争に打ち勝ちブランド化され売上は安定的です。製造コスト、販促コストも少なくて済み、資金収支はプラスに転じます。
衰退期:他の商品に取って代わられ、売上は減少傾向となります。コストは成熟期と変わらないのですが、売上低迷で資金収支はかろうじてプラス・マイナスゼロ状態で増えることは望めません。
 ライフサイクルは必然です。従って、成熟期で生んだお金を新商品たる導入期に投資し、将来のお金のなる木を育てていく繰り返しが必要なのです。ビジネスモデルも同様です。

○研修会のご案内
既にご案内の通り、毎年恒例の事務所研修会を下記にて予定しています。
ご参加よろしくお願いいたします。
1.日時と場所 平成29年6月16日(金)14:00~16:00  伊万里市民センター
2.研修内容
■29年度税制改正について、
■変わってきた金融行政と、中小零細企業の取り組むべきことについて解説いたします。

○個人情報保護法に対する5月からの対応に注意
マイナンバーの取り扱いについては、一定の注意を払っておられると思います。
個人情報保護法は従来大手の企業(保有する個人情報5000人以上)に守るべき取り扱いの規定がありましたが、5月30日(春頃からの予定が5月30日になりました)から件数に関係なく取り扱いに一定の取り決めを必要となるように改正されました。パンフレットを同封していますのでご確認下さい。

平成29年4月 中小企業の経営の基本手法

【事業を元気にするお役立ち情報】
■ 中小企業の経営の基本手法

仕事の進め方の基本は「PDCAを回す」ことです。これさえやっていれば経営ができると言っても過言ではないでしょう。P→D→C→AそしてまたPから回すという順番でサイクルを回していきます。
PDCAとは、Plan・Do・Check・Actionのそれぞれの頭文字をとったものです。
意味を簡単に説明しますと、
「Plan=計画」何事を行うにもこの目的・目標の設定を明確にすることが最も重要です。何のために行動しているのかを明確にしておくことでぶれを防ぐことができます。目標を設定し、目標達成のために何をするべきか仮説を立て、プランニングします。何をするのか・誰に対してするのか・なぜするのか・どのくらいの量を行うのか・いつまでに行うのか…など基本の5W1Hを分解して考えていきます。

「Do=実行」計画をもとに実行することです。実行した結果が分かるように、時間を測る・数を数えるなど数字で追うことが大切です。
「Check=評価」計画に沿った実行が出来ていたのかを検証します。実行した結果が、良かったのか悪かったのかを判断します。その時に、実行での数字で具体的根拠があることで検証の正確性が増します。
「Action=改善」検証結果で見えた課題の解決策を考え改善します。実行した結果、この計画を続けるか・止めるか・改善して実行するかなどを考えます。この考えは次のサイクルの「Plan」につながっていきますのでそこを意識して考えることが重要なポイントです。

平成29年3月 中小企業の事業承継対策

【事業を元気にするお役立ち情報】
■ 中小企業の事業承継対策
1.相続税対策を優先して考えるのではなく安定的経営の継続を優先すべき
とかく相続税対策の為に、例えば株式の早期移動を促す策としてむやみやたらの分散を指導する税理士もあるようです。これは非常にやっかいな問題を残すことになります。事業承継は事業に使う財産の承継が最優先であるべきです。事業用資産は経営者に集約すべきなのです。その為に相続税や贈与税が高くなってしまったとしても経営の安定のためには「分散」ではなく「集約」させることが結果的に将来的に安定した経営をすることが出来ます。先代の時の得体の知れない?株式所有者は不安要因の一つです。いろいろな不安要因は自らの代で断っておくことが先代の勤めでもあります。

【お知らせごと】
◎金融庁から金融機関への検査・監督内容の見直しが発表されました 
2/24の日経新聞に「銀行検査、稼ぐ力に重点 金融庁、マニュアル刷新へ」という見出しで大きな記事が載りました。不良債権処理が一段落した今日、金融機関は、将来的な企業の減少、経済の縮小、融資残高の減少、低金利による貸出利ザヤの減少といった不安要因に立ち向かっていかなければなりません。どう対応するのかが評価のポイントになるのです。数年以内に半数以上の地方銀行が、本業(≒貸出業務)において赤字に転落するという金融庁の試算があります。 求めるのは、「金融機関(銀行)の主体的な創意工夫」です。「現場において各企業の持つ事業の成長性を実質的に評価」することが求められているのです。企業側も努力しましょう、努力する企業に支援の手が伸びるのです。 

平成29年2月 会社の会計のルールは決まっています。

【事業を元気にするお役立ち情報】
会社の会計のルールは決まっています。
 私たち税理士が作成する法人の決算書は、平成24年2月に公布された『中小企業の会計に関する基本要領』に準拠したものです。特に税理士が、『経営革新等支援機関』として経済産業省から認定された場合は、『中小会計要領』を遵守することが求められています。この会計の基準は”取得原価主義”というのが根底にあります。つまり購入時の金額、取引をした時の金額で計上するということです。たとえば土地が購入時に1千万円だったが、今は下がって8百万円だとしても、決算書には1千万円と計上されます。逆の場合も同様です。税務上、評価損や貸倒損の計上には厳密な制約がありこの場合2百万円が損失だとは認めてくれません。このように税法の基準も加味して決算書ができあがります。

 つまり、中小会計要領に基づいて作った決算書は、時価主義会計ではないということです。従って不良在庫や滞留売掛金の存在、購入時のままのゴルフの会員権価格などが、時価とはそぐわないことになります。会計の基準、税法の基準によってますので、これは粉飾でも何でもありません。もちろんですが、取得していない棚卸資産を計上するということは取得原価主義を逸脱していますから粉飾です。

 金融機関さんは独自の基準で時価実態バランスシートを作成されます。これは管理上必要なことです。ただしそれは金融機関の私的なルールなのであって、税理士および中小企業が遵守すべき会計基準ではありません。その評価ができるように税理士は取得原価主義で作成した科目内訳書をつけるのです。

【お知らせごと】
ふるさと納税をした方へのご注意!!
●ふるさと納税には「ワンストップ特例」という制度があります。この制度を使うことを申請すれば、確定申告しなくても自動的に住民税が安くなります、という制度ですが、落とし穴があります。
確定申告でふるさと納税を入れないと、その申告が優先されてしまい、ワンストップ特例で申請したふるさと納税の情報は無効になります。例えば、ワンストップ特例の申請をされた方が、医療費控除や住宅ローン控除などの確定申告を行う場合、ふるさと納税はワンストップ特例を使っているのでと思いふるさと納税寄付金控除を書かないで申告してしまうと、ワンストップ特例の申請は無効となり、寄付金控除は適用されなくなってしまします。申告には必ず寄附金の申告も必ず記入してください。

4月から保険料率改定のお知らせ!!
 新聞等でも報道の通り、昨年実施された日本銀行のマイナス金利政策の影響で平成29年4月以降に生命保険の保険料が改定されることとなりました。年齢、性別、商品などにより違いはありますが、貯蓄性の高い保険については、5%~20%程度保険料が引き上げになるようです。退職金の積立などご検討されている方におかれましては、早めに検討した方がよいでしょう。具体的にご説明致しますので、当事務所までお問い合わせ頂きますようお願い致します。

平成28年12月 金融機関も変わってきています。中小企業も変わる必要があります。

【事業を元気にするお役立ち情報】
金融機関も変わってきています。中小企業も変わる必要があります。
事業の継続発展のためには資金を必要とし、その資金の支援を得る先として金融機関との関係は良好でなければなりません。共に協力し合って発展の道を切り開いていくためには、コミュニケーションをとり情報の共有化を促進していくことが必要です。その施策として

①積極的に財務情報提供をする

金融機関への企業の財務情報を積極的に提供し経営者の言葉で説明できることが大切です。事務所ではその支援の一環としてITを使って決算書や月次試算表を提供をするといった仕組みを始めています。これまで紙で提供していた決算書、月次試算表をより早く提供することで、企業と金融機関との連携をより深め、経営戦略の構築をする仕組みができるのです。スピーデイな財務情報を提供できることは企業にとっても自社の評価を高めるチャンスでもあります。

②決算報告会への金融機関の参加

決算報告会に取引の金融機関にもオブザーバーで参加してもらう取り組みを始めました。経営者の取り組みを金融機関にも開示し見える化することで、協力を仰ぎながら事業を継続発展させていくことを支援していきたいのです。これまで数件実施しましたが、参加してもらった金融機関にも好評です。徐々に進めていきますで積極的にご検討ください。

【お知らせごと】
金融機関等にはうまみがあるが、責任は税理士へ?

金融機関やリース会社が節税のスキームを提案されることがあります。確かに法的にはクリアーしそう?だが結構リスキーと思われる対策もありますので慎重さが必要です。例えば本来は他の株式会社を支配するためにその会社の株式を保有する「持ち株会社方式」を、節税策として提案されることがあります。金融機関にとっては数々のメリットが生まれます。株式取得のための多額資金融資を実行でき利息収入が入るほか、売却者の手元に残る株式譲渡代金を生命保険や投資信託などに振り向けさせることで、販売手数料も得られるといったことがあります。全ての提案がそうだとは言いませんが・・・。
実は、税務書類の作成や税務相談はたとえ無償でも税理士以外が行うことは禁止されています。このため、金融機関等は提案時、経営者に「具体的な税額計算は税理士にご確認を」と言い添えることが大半でして、税務に関する最終的な責任は顧問税理士にあるとの立場で勧められるのでやっかいです。

平成28年11月 オーディオ学習のすすめ・42回研修会のご案内

【事業を元気にするお役立ち情報】オーディオ学習のすすめ
アメリカでの調査によれば、世界で「裕福な人たち」の習慣として、63%が移動時間にオーディオブックを聴いているそうです。 それに対して「貧しい人」で同じ習慣がある人はたったの5%だということです。著名な方々の多くの人が成功の最大の秘訣を「テープを聴く習慣」や「読書」と答えています。 特にテープを聴くということに注目してみますと、大きな利点がつあります。
.スキマ時間をビジネススクールに変えることができるということです。電車での移動時間、 車を運転する時間等々オーディオ学習の時間はたくさんあります。生産性の無いその無価値な時間を価値ある時間に変えることができます。仮に1日時間でも使えば、1年間で365時間、実に一日時間机に座って勉強したとして換算すると73日分です。これだけ学ぶ時間が増えたならば、かなりの新たな知識と役立ち情報を得ることができるでしょう。
そして、もう一つの利点は .何度も聞き、聞き流すことで記憶できるということです。繰り返し聞くことで内容が自然に脳にインストールされていきます。好きな音楽を何度も繰り返し聴くことで、 歌詞がすらすら出てくるのと同じ原理です。忙しいからこそ、実践してはどうでしょう。 


42回研修会のご案内   
日 時 :平成281125日(金) 1400 ~ 1600
場 所 :伊万里市民会館(第一会議室)
内 容 :「金融機関の事業性評価の視点についてSWOT分析の手法について~
講 師 :山浦義行税理士事務所 所長 税理士 山浦義行
最近の金融機関における信用格付けの視点は、決算時等の財務諸表の数字のみにとらわれず、経営者の経営努力等や企業の将来性に期待した評価、いわゆる“事業性評価”へと移行してきています。
 今回の研修では、金融機関の視点における事業性評価について解説します。
 また、事業性評価や事業承継の場面において、自社の現状【強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)】を把握することはとても重要となります。このSWOT分析の基本を説明いたします。
 経営幹部の皆さまには、是非ご参加いただきたい内容となっております。

平成28年10月 顧客満足の追求・42回研修会のご案内 

【事業を元気にするお役立ち情報】

経営全般  顧客満足の追求
 顧客満足の追求が必要ということは言い古されたことですが、改めて確認してみましょう。
顧客の満足には限界はありません。なので、全てに応えようとするとありふれたサービスになりがちですし、その労力とコストは過大すぎる割には効果がないということになりかねません。
 ここを抜け出すためには、絞って考える必要があります。
顧客不満足 → 対顧客に欠けているもの → 顧客が本当に求めているもの
と追求していき焦点を絞ることです。 そして、その一点で勝負し、そこを徹底突破することです。
顧客はよい品を安く手に入れられて、しかも品揃えが良いという店を望むかもしれません。が、しかしその要求にすべて応えることは難しいのです。
 一点主義ではコンビニがよき事例です。顧客不満足=欲しいものが必要なときに店が開いていない。商品の選択肢は少ないし、値段は高い定価だし、それでも売れるのは何故でしょう。顧客不満足の解決に焦点を絞っているのです。

42回研修会のご案内   
日 時 :平成281125日(金) 1400 ~ 1600
場 所 :伊万里市民会館(第一会議室)
内 容 :「金融機関の事業性評価の視点についてSWOT分析の手法について~
講 師 :山浦義行税理士事務所 所長 税理士 山浦義行
最近の金融機関における信用格付けの視点は、決算時等の財務諸表の数字のみにとらわれず、経営者の経営努力等や企業の将来性に期待した評価、いわゆる“事業性評価”へと移行してきています。
 今回の研修では、金融機関の視点における事業性評価について解説します。
 また、事業性評価や事業承継の場面において、自社の現状【強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)】を把握することはとても重要となります。このSWOT分析の基本を説明いたします。
 経営幹部の皆さまには、是非ご参加いただきたい内容となっております。 

平成28年9月 経営理念と課題の明確化

【事業を元気にするお役立ち情報】
経営全般   経営理念と課題の明確化
 経営学者として有名な野中郁次郎氏は
「『賢慮のリーダーシップ』の条件として、『良い目的をつくる能力』が必要」と主張しています。組織をまとめるためには「コモングッド」(共通善)は絶対条件なのです。コモングッドの提示と実践によって人々は一つになれる、と言っています。仕事に当てはめるならば、我々は何のために仕事をしているのか、そこに社会的な意味をしっかりと提示するということがリーダーとして必要だということです。でないと、誰もついてこないのです。よい目的に裏打ちされた経営理念は企業にとって必要欠くべからざるものなのです。
会計業務の効率化と活用の前提条件
 自社でコンピュータによる会計処理を行ういわゆる「自計化」は、もう特別なことではなく一般的になりました。零細企業といえども自計化によりタイムリーな財務状況を把握し経営に生かしていかなければ取り残されるという時代です。最近はもっと進んで”会計業務の自動化”の時代です。
ただし
前提にその会計処理が正しいものでなければ意味がないということがあるのを忘れてはなりません。私たち会計事務所はその前提条件をクリアーする支援はもちろん、どう生かすかの支援もやっています。中小零細企業も「自計化」に対し柔軟に意識を変えていかなければなりません。

平成28年8月 経営課題の明確化と目標数値 

【事業を元気にするお役立ち情報】
経営全般   経営課題の明確化と目標数値

 経営課題を明確にすることは大切です。その課題に向かって何を競っているのかと言えば実は「目標に達成する時間」を競っているということになります。いついつ迄に達成することがなければそれは目標にはなりません。当然できるだけ速く達成することを競い追い求めるわけです。
 目標は数字で語らなければ意味がありません。そしてその「数字に意味を持たせる」ことが大切です。意味があるからこそ動く理由になりそれが原動力で、目標を達成しようと頑張るのです。目標数値はいわば「ノルマ」です。私達は普段の生活でも無意識にノルマをつくって活動しています。そして、私達にとってノルマは原動力でノルマが満たされてしまうと動く理由がなくなってしまいがちです。
 したがって、そのノルマは自分(会社)のノルマを常に達成できるか、出来ないかのラインで保つことがポイントです。目標設定のポイントでもあります。 

(誰かの本からヒントを得て書いたメモ書きノートより)

TKCの「企業向け」「金融機関向け」フィンテックサービスが開始されます

フィンテックサービスも顧問先企業向けと、金融機関向けに推進をしています。

  • 顧問先向けは、帳簿への自動記帳の機能です。既に研修会後、事務省力化に向けて多くの企業が取り組みを検討されています。
  • 金融機関向けは、財務諸表の金融機関提供サービス(モニタリング情報サービスです。
先月号に金融機関が各企業の「事業性評価」を重視している旨を書きましたが、この事業性評価は信頼性ある試算表(月次決算書)がより早く提供され、信頼性ある決算書があってこそできることです。
私たちTKC会員事務所はこの要請に応え、中小企業の発展を支援すべく金融機関向けフィンテックとして全国の内314金融機関と提携予定であり、206金融機関とすでに提携をしました。

日経新聞・ニッキン2016年8月8日号参照ください。

平成28年7月 金融機関の方針はどうなっているか 金融行政方針の求めること

【事業を元気にするお役立ち情報】
研修会のご案内   毎年恒例の事務所研修会を下記にて予定しています。
既にご案内を差し上げていますが、ご参加よろしくお願いいたします。
  1. 日時と場所:平成28年7月22日(金)14:30~15:30 伊万里市民センター2F
  2. 研修内容:経理事務をもっとスピーデイにする研修』
 最近よく”フィンテック”という言葉を耳にしませんか?実は経理事務にも欠かせないことなのです。IT化の時代はどんどん進んでいます。近い将来を見据えた会計に対する戦略を考える機会です。今回はこのフィンテクについてわかりやすく解説します。是非ご参加下さい。

平成28年6月 研修会のご案内

【事業を元気にするお役立ち情報】
研修会のご案内   毎年恒例の事務所研修会を下記にて予定しています。
既にご案内を差し上げていますが、ご参加よろしくお願いいたします。
  1. 日時と場所:平成2817日(金)14001600 伊万里市民センター
  2. 研修内容:28年度税制改正について、消費税の件 その他経営に関する内容
 消費税のアップは延期になりましたので、そこは短めにして、改正税法、財務を中心にした経営のこ と等最近感じている課題をお話しします。経営者や幹部の方是非ご参加下さい。

平成28年5月 顧客を失う理由

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 顧客を失う理由
 企業が顧客を失う理由として、『サービスが伝説になるとき』ベッツイサンダース著によれば、

68% 従業員の無関心な態度
14% 商品への不満
9% ライバル企業からの誘引
5% 友人の影響
3% 転居     1% 死亡

となっています。これを見ると、決して商品やその値段ではなく、いかに心理的な面が大きな影響を及ぼすかがわかります。従業員さんの教育の大切さがわかります。私達も色んなお店に行ったときに身近にそのことを感じます。対応の仕方でついつい買いたくなるときもありますし、逃げたくなるときもあります。なのですが、いざ自分のこととなればついつい忘れがちです。

自分がされて心地よい態度をとればいいだけのことなのですが・・・・。

平成28年4月 資金力を向上させるための要件

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 資金力を向上させるための要件
 社長が経営に専念できる体制のために資金の安定性は必要な条件です。何故なら経済的基盤の確立は全ての経営活動の根幹だからです。資金繰りに追われながら実のある経営戦略は立てられません。また事業は盛衰がつきものです。おどり場では、あるいは危機の時に資金を必要としますし、チャンスの時にも資金がものをいいます。
 資金の安定性をはかる指標は自己資本比率です。自己資本比率は社長の経営の取り組み姿勢や心構えが具現化された指標です。社風さえも表しています。我が社の自己資本比率は業歴にふさわしいのかどうかを検証しましょう。 自己資本比率=純資産(自己資本)÷総資産で計算します。
純資産(自己資本)=出資金と過去の利益の累積です。純資産は過去の利益が積み上げられた指標故に経営者の取り組みが反映されているといえるわけです。
 普通に順調な会社は1年間に2.5%の利益が累積していきます。私が経験的に出した数値です。
10年経過すれば 2.5%×10年=25%となります。これ以下だと標準以下で、何か問題があります。20年の社歴があれば2.5%×20年=50%以上あって当然です。50%だとほぼ実質無借金の会社になっているはずです。実質無借金とは借入金以上の預金があり仮に返済してしまったとしても、充分な運転資金のある会社(当座比率約150%以上)です。

給与計算業務とマイナンバー管理の実務研修
28年4月20日(水)14時から15時30分まで  場所 伊万里市民センター

給与計算は事務負担の大きな要因となっています。また、人事労務に対するデータの活用もあまりなされていないのが実情です。TKCの給与計算システムPXは、給与計算の省力化と効率化、同時にマイナンバーの対応もできます。人材不足の今日、人件費をどう経営に活かし働きがいのある職場にしていくかは重要な課題です。申し込み未済の方も結構ですので、経営者の方、事務担当の方、PXを既に活用の方、まだ活用していない方、どうぞご参加下さい。

平成28年3月 企業は人なり

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 企業は人なり
 人材募集をしても、つい数年前には結構応募があったが、最近は極端に少なくなったという声を多く聞きます。しかも、応募者の履歴書を見ると、2,3年おきはまだしも、わずか数ヶ月で転々とする若者が実に多くなったようです。きっと面接に行ったときには「しっかりがんばります」という声を発したに違いないのですが・・・。企業としては人を育てて社会人として活躍してもらい、その人の人生を豊にして欲しいと願うのですが、その思いはなかなか届かないのが現実です。
 そういう現実の中でも、企業は人で成り立っていることは間違いありません。地方の労働人口は年々減少し、その逆転はほぼ望めません。新しい人の採用がこれほど難しくなってきている(誰でもいいと選ばないのなら別ですが)現実をどう捉え、どう対処するかです。今がんばっている従業員さんのことは、我が社でしっかり面倒見る、よりレベルアップできるように物心両面でサポートしていくという姿勢がこれまで以上に求められると思います。今以上の優秀な人材はもう来ないと思った方がいいのかもしれません。今ある仲間を大切にし、結束して会社作りを真剣に取り組んでいく必要性を感じます。
 松下幸之助はこう述べています。「松下という会社は何を作っているのかと聞かれれば、人を作っている所だと答える。そして併せて商品も作っている所だと」。

倒産件数が減少しているのだが
 中小企業の倒産件数は平成14年約19,000件、円滑化法が施行された後の平成23年約13,000件、円滑化法期限切れ後の平成25年約11,000件そして27年約9,000件と減少しています。本当に景気が良くなって企業に元気が出てきたのでしょうか。そうではなく、政府や監督官庁が改善対策の為の施策をとり続けているからです。円安株高、賃金の上昇、原油価格の安定化などの影響を受けているのは大企業中心で、恩恵の方は中小企業はまだまだ波及とまではいえないでしょう。
 迫り来る消費税の増税、円安による仕入価額の上昇、人件費のアップ、中国経済の減速等の不安定要素の中、中小企業は経営改善を進めていかなければならないのは事実ですが、なかなか厳しい現実があります。ということは、倒産件数の減少の傾向はこのまま続いていくと考えない方が良さそうです。あまり過敏になって取引拡大を恐れるのも問題ですが、取引先の選択には注意を払った方がいいでしょう。かつ我が社も良い方の選択肢に選ばれるように改善を進めていく必要があるのです。 

平成28年2月 在庫の圧縮をしましょう

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般
目標がないものに計画はない。
計画がないものに行動はない。
行動がないものに成果はない。
成果の後の反省がないものには新たな目標は生まれない 。
財務係数の目安を参考にして下さい。(参考:TKCデータの黒字企業平均)

建設製造卸売小売飲食-
売上 円100100100100100100
売上総利益202520306040
営業利益442434
支払利息1.01.20.51.01.21.2
経常利益342235
減価償却1.53.01.01.02.53.0
自己資本比率%404038403040
借入/月商.倍率3ヶ月5ヶ月3ヶ月4ヶ月3ヶ月4ヶ月
償還可能年数
借入/(経利+減償)
在庫 日数

5年

27

6年

30

6年

32

5年

25

5年

5

5年

25

※在庫の圧縮をしましょう。趣向変化の早い現代では、作りすぎ持ちすぎは命取りになります。明確な基準を持って在庫を保有しましょう。動かない品物を一定の場所に移動し、月動かなければ処分と決めるのも方法です。在庫は諸悪の根源ということを認識しましょう。

平成27年12月 経営戦術「感動の経営」について

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 経営戦術「感動の経営」その2

 人は期待感と現実に受けたことの差で感動を判定します。感情の流れは、怒り<不満<満足<感動<感激<感謝となります。つまり、感動の先にある感謝にいけば本物の「顧客満足」につながるということです。感動させるにはどうすればいいのでしょうか、まずは感動させる相手、つまりターゲットを絞り込む必要があります。それを考える前に、マーケット状況がどうかによってその戦略戦術も変わってくるので、まず世の中のことを分析してみる必要があります。

 大切なのは、人口構成の動きです。消費は人によってもたらされますので、その動きはとても大事です。特に日本の経済の中心にいたのは団塊世代です。物の無い時代に消費に餓えた団塊世代によってスーパーマーケットは伸び、時は過ぎ満足したので衰退しました。感動も変化していきます。人口は減少を続け、かつその時の人口構成は様変わりしていきます。我が社の感動させる相手は誰なのかを考えないと的はずれになりかねません。

 次に既成概念にとらわれないということです。感動はまずは「へえ!」とか「うわあそうなんですか!」とか思っていただくことから始まります。業界ではなんでもないことが消費者からすればとても興味のあることだったりします。例えば陶磁器を作る人にとっては絵付けをするなんてことはなんでもない日常的なことですが、素人さんにとっては大変興味のあることです。見せ、講釈をすることで感動を呼びます。そのような日常のことの中に意外なことがあります。ぜひ見直してみてください。いろんな声を聞くのは内部からは見えにくいので、同業者以外の素人の方に聞いた方がよいでしょう。

平成27年11月号 経営戦術「感動の経営」について

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 経営戦術「感動の経営」について

人は期待感と現実に受けたことの差で感動を判定します。

期待感>現実 ではがっかりします。期待感<現実 で、感動します。

期待感は人それぞれ違います。同じサービスを受けても、ある人は良かったと思うしある人は悪かったと思うのです。しかも、期待感はドンドン高まっていきます。だから①お客様を個別的に判断して行動すること②よけいな期待感を抱かせない③より高い感動を考えていく事が大切です。感動をした人は「あの店は良かった」と口コミをします。悪い印象を受けた人は「あの店はダメだった」と口コミをします。

 「あなたのことを思っているのですよ」のサ-ビスが感動の基本です。ただし、感動も変化していきます。また、我が社の 感動させる相手は誰なのかを考えないと的はずれになりかねません。

感動プロデューサーの平野氏によれば、「感情の方程式」としてこう言っておられます。

感情の流れは、怒り<不満<満足<感動<感激<感謝となる。つまり、感動の先にある感謝にいけば本物の「顧客満足」につながるということです。

平成27年10月号 経営全般

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 

 長年この仕事をしてきて、つくづく思うのですが、経営が良くなるのも悪くなるのもやっぱり経営者の姿勢や考え方一つのようです。人間力というかそういった人としての器の良さが経営をよくするように思います。どうしてなのかなと思うのですが、やっぱりそういう人には多くの支援者が集まります。

 まず第の支援者は従業員さんです。従業員さんを大切にする会社は、従業員さんもしっかり仕事に取り組んでおられます。大切にするというのは形だけでなく本当に大切にするということです。成長を望むのなら当然教育の場をつくってあげることも必要です。「うちの従業員は・・・」という前に本当 に成長を願い、家族を含めた生活のことを考えているのかを自問自答すべきでしょう。

 次に重要なのは謙虚な気持ちだと思います。成長企業の経営者の方はおしなべて謙虚です。そして学ぶ姿勢を持っておられます。意見を聞くふりをして裏では何言ってるんだという姿勢はありません。

 次に取り繕うことがないというのも大切な要素です。その場をしのぐための取り繕いは、結局はぼろが出るということをわかっておられますから、正直です。謙虚と隣り合わせなのかもしれません。こういう社長との話し合いや商談はスムーズです。本当は何を考えているのかわからないといった事は本能的に感じるものです。そういう方との取引はうまくいきません。何故かうまくいかない経営者はそういう部分があります。得てして、そういう方は経営の行き詰まりを他人のせいにしがちです。どうしてそうなってしまったのかを謙虚に受け止めることができないのは経営者にとって致命傷です。取り繕いの行動ばかりで、反省からの行動ができないからです。

 最後に行動力です。経営計画の実現は、行動力の差でてきめんに現れてきます。上に述べたようにその場しのぎの取り繕いの行動ではなく、先を見据えた本心からの行動でなければ絶対によい結果は生まれないのではないでしょうか。

平成27年9月 経営状況を改善する

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 経営状況を改善する

 経営状況を改善するには二つの方法があります。一つは売上を伸ばす(収入を増やす)、もう一つは経費を減らす(支出を減らす)ということです。ここでよくある対策が売上はどうしようもないので経費を減らすしかないという対策です。注意しなければならないのはその経費削減が売上の低下につながってしまわないかということです。売上低下が利益低下となり、又経費の削減をしなければならなくなってしまうという悪循環に陥ってしまうというパターンは最悪です。

 むだな経費はもちろん削減をしなければならないでのですが、最前線の経費、つまり売上に直接結びつく経費は削減するというより増やさなければならない事もあります。本当にムダなのかその見極めが大切です。無駄を省き選択と集中でお金を重要ポイントに一点集中させるべきです。

 本気で集中できるポイントを自分自身でつかみ、とにかくそこに集中しましょう。必ずや経営は上向きます。例えば「人がもっとも大事だ」と本当にそう思うのであれば人件費の削減は今一度考え直しましょう。人材と人材教育に経費を使うということができないとすれば、「人の大事さ」が本当にわかっているとはいえないでしょう。経費削減による負のスパイラルが生じないようにしましょう。

平成27年8月 経理の仕事の意味

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 経理の仕事の意味

 経理の仕事は金勘定にすぎなず、そこにクリエイティブな面があるのだろうか、そう思う方も多いかもしれません。しかしこれほどクリエイティブな仕事はないでしょう。なぜ重要なのか、経理にとっての商品は会社のお金だからです。経理は経営に直結します。会社の大小にかかわらず経理の力は重要です。会社が大きくなればなるほど、経理の力が強くなっていくのも当然かもしれません。お金は経営活動の源泉です。お金は数字で表現されます。その数字を情報化したのが決算書です。経理がしっかりしていなければ、経営活動のための源泉となる「お金」が生み出せません。
 企業活動は、様々なデータを駆使するとはいっても、すべて最終的には「お金」の動きに置き換えられてしまいます。「お金」は「数字」に置き換えられ、経営成績を示す決算書として表現されます。

資金が有効に活用され、新たな資金を生むように、節税や、効率的資金の配分を考察し、その力を発揮するのも経理の役割です。資金繰りの予定、タイムリーな数字報告、それによっていい戦略を打つ事ができます。ただ、目的が作業する事になってしまって、本業がおろそかになるのは本末転倒です。そういう事態を防ぐのも経理の仕事なのです。経理の仕事の重要性を理解した上で、各部門は、お互い創意工夫して最小限の時間で、負担を最小限にして経営の目的を達成することができるかを考えていく事が大切です。経理は資金を生み出すというクリエイティブな仕事なのです。

平成27年5月 自己資本比率40%以上を目指しましょう

【事業を元気にするお役立ち情報】

○経営全般 自己資本比率40%以上を目指しましょう

 経営者が最も求めるのは「会社をつぶさない」ということでしょう。売上が減った、会社の規模が大きくならない、利益が前期より減った、等々不安な要素はあるのですが、それらがどうであれ会社をつぶさないということが最大の目標になるということです。ではどうすればつぶさないですむか?を考えなければなりません。つぶれるというのはお金が無くなったときです。つまり多少の危機があってもお金が足りるようにすることが大切です。お金といえばそれを表現しているのが決算書です。

 どこを見ればいいでしょうか。自己資本比率でつぶれない(にくい)かがわかります。自己資本比率は返さなくて良い自己資本が総資本の内どれくらいの割合かを示す指標です。従って高い率の方が強い会社です。いかに現在儲かっていても自己資本比率が低いと、例えば基礎が弱い中にどでかいビルを建ているようなもので、ちょっとした振動で(危機で)崩れ去ってしまいかねません。20%以下は要努力です。少々のことでつぶれない理想的会社の自己資本比率は70%以上です。平均的に黒字企業は25%、優良企業は55%です。まずは40%以上を目指しましょう。40%以上になれば資金的余裕が生まれ、会社経営にも余裕が出て、間違いなくますます良い方向に進みます。

平成27年4月 ライフプランを考えた対策を、早くからしましょう

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 ライフプランを考えた対策を、早くからしましょう
 確定申告を見ると、高齢になって所得もそこそこで特に経済的なお困りも無く過ごしておられるであろうと想像する申告書もあれば、生活が大変だろうなと想像する申告書もあります。何が幸せかはお金でははかられないのでしょうが、少なくとも経済的基盤の確立は幸せの基盤にはなる事は間違いないでしょう。その為にも将来のことを見据えたライフプランを考えておく必要があります。その対策は結構あるのです。節税を絡めながらの対策もあります。例えば年金対策としての小規模企業共済の加入、もしもの時に備えたムダのない生命保険、節税を絡めた退職金用の対策としての生命保険、相続対策としての資産活用としての現金預金の収益物件の転換等々です。
 これらの対策について実際に行動に移していくかどうかにかかっています。将来ライフを確立するための上記のようなスキームが用意されていてもそれを実行しなければ何もなりません。結局、実行していく人が、高齢期の経済基盤を安定的にしています。相続税対策も同様で、暦年贈与も3年以内に贈与したものは相続財産に含まなければならないわけですから、できるだけ早めに対策した方が無駄な税金を払わなくて済むわけです。

【お知らせごと】
 確定申告終了も納付の振替日に注意   所得税は4月20日、消費税は4月23日

 確定申告は3月16日で終了(消費税の確定申告は3月31日まで)したが、確定申告は税金を納めて完了します。特に、振替納税を利用している人は、確実に銀行口座から引き落されるように、あらかじめ指定口座の残高を確認しておきましょう。振替日は、所得税が4月20日(月)、消費税及び地方消費税が4月23日(木)。1円でも足りないと振替ができないことになり、納税のために延滞税も加えたところで銀行や税務署に足を運ぶことになります。
 納期限までに納税できないと、納期限の翌日から完納の日までの間の延滞税と本税を併せて納付することになります。振替納税についても、残高不足などで振替ができなかった場合は、同様に納期限までさかのぼってその翌日から延滞税がかかります。延滞税は、3月16日から5月15日までの2ヵ月間は年2.8%、それ以降は年9.1%の割合と高い金利ですので注意しましょう。

平成27年3月 好調の時こそ気を引き締めましょう

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 好調の時こそ気を引き締めましょう
 経済動向を身近に感じていますが、やや上向きを感じます。さて、事業は、好調時もあれば不調時もあります。これは経済の法則です。不調時にどん底に行かないようにしなければなりません。ポイントは好調時には不調時を想定して備え、不調時には好調時のイメージを持ち窮地を脱することです。
悲観的に準備をするということは、悪くなることを想定して、それでも生き残るにはどうしたらよいかを突き詰めて考え、計画的に戦略を練る必要があるということです。
 好調時は調子に乗りやすく、周囲の人の忠告を受け入れなくなりがちです。やがて不調が訪れたとき、好調時に行った準備の甘さがツケとなって回ってきます。好調の時こそ危機感を持つことが大切です。不調の時には冷静な判断ができなくなります。たとえば利益を伸ばすために質を落として荒利を確保しようとしたりします。それは逆のことをしているのでますます客離れとなります。
 好調の時には過度な節税に走ることなく、利益を出して自己資本の蓄積と、人材を人財にしましょう。その資金はいざというときに必ず役に立ちます。特に不況の時には掘り出し物の物件が出てみたり、思いがけない商談があってみたりするものです。その時には資金力がものを言います。そしていい循環を生むことができ、ますます利益を生む体質を確保することができるのです。

平成27年2月 輝いている中小企業の特徴

【事業を元気にするお役立ち情報】
○経営全般 輝いている中小企業の特徴
経営者研究、企業家研究で名高い坂本光司氏が、輝いている中小企業の特徴を書いています。
「五方よしの経営」だそうです。
1.社員と家族を大切にする経営
2.仕入れ先や協力会社等社外社員とその家族を大切にする経営
3.現在顧客と未来顧客を大切にする経営
4.地域住民、とりわけ社会的弱者を大切にする経営
5.株主や関係先を大切にする経営
このことはまるで法則のように当てはまるのだそうです。

事業を元気にするお役立ち情報 平成26年

事業を元気にするお役立ち情報 平成25年

事業を元気にするお役立ち情報 平成24年

事業を元気にするお役立ち情報 平成23年

事業を元気にするお役立ち情報 平成22年

企業のリスク管理について
保険についてのお役立ち情報

キャッシュバリューを求めず、限られた保険料で最大の保障を


キャッシュバリューとは、満期を迎えたり解約した場合に、保険料が戻ってくるケースがあり、この解約保険料を「キャッシュバリュー」を呼んでいます。

保険に加入する際は、基本的にキャッシュバリューを求めずに、支払いが可能な保険料で最大の保障を求めなければなりません。また、被保険者の年齢の上昇とともに保険料も高額になります。そのため早期の保険加入をお勧めします。キャッシュバリューばかりを求めると、あまりに保険料を高額になります。目的あった適切な保険加入が一番のポイントです。

山浦税理士事務所が関与先に対して生命保険をどうしてアドバイスするのか?

●山浦税理士事務所が生命保険のアドバイスをする理由は?

「山浦税理士事務所は税理士事務所なのに、どうして生命保険を勧誘するの?」と疑問に思われている方が多々おられると思います。今月はその疑問にお答えします。

(1) 山浦税理士事務所は保険外務員とは異なります。

※山浦税理士事務所は、貴社の事業の継続的発展(幸せ)のみを考えて、末永く感謝される最も有利な保険を薦めます。
※山浦税理士事務所は、保険契約の結果に対して、会計と税務の専門家・プロとしての立場から、その会計処理、税負担関係について助言します。また、貴社の資金繰り・将来の目標等、経営状況を細部まで一番詳しく熟知しているので、負担保険料について等、最適な助言が出来ます。
※山浦税理士事務所は、貴社の安定的に永続することを願っています。貴社の永続的発展(幸せ)なくして、山浦税理士事務所の発展(幸せ)はないのですから。

(2) 推進内容には裏付けされた根拠があります。

※山浦税理士事務所は、「標準保障額算定書」で関与先の「必要保障額」を算定します。役員退職金、運転資金・借入金返済資金等から不慮の事態に陥った場合の必要保障額を求めます。担当者が毎月の経営状況を把握した数値を根拠としているのです。

不慮の事故や災害に遭遇すると企業は崩壊し、従業員や家族は一瞬にして路頭に迷うことになりかねません。これらのリスクから守る方法が生命保険の活用です。保険に関することなら、現在加入保険の見直し等、何でも構いません。担当者が適切丁寧なアドバイスを致します。貴社の永続的発展(幸せ)に貢献する事が私達の使命なのです。